【医師が解説】尿酸値が高いと痛風になる?基準値と「プリン体」だけじゃない食事改善のポイント

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JR明石駅南口より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断で「尿酸値が高め」と言われた方は多いのではないでしょうか。痛風は男性に多く、突然の激痛発作が特徴ですが、実は正しい数値の管理で確実に予防できる病気でもあります。 今回は、尿酸値の正しい見方と、痛風を防ぐための具体的な生活習慣のポイントについて解説します。
■ 尿酸とは何か

尿酸は、DNAなどの細胞の成分である「プリン体」が分解されたときにできる老廃物です。 よく「プリン体の多い食事のせい」と思われがちですが、実は食事から取り込まれるプリン体は全体のわずか2〜3割に過ぎず、残りの7〜8割は自分自身の体内で(新陳代謝によって)作られています。 尿酸は水に溶けにくい性質があり、血液中に増えすぎると溶けきれなくなり、「結晶化」して関節や腎臓などに沈着してしまいます。
■ 基準値と判定区分

一般的な基準値は以下の通りです。
- 正常値: 7.0 mg/dL以下(男女共通)
- 高尿酸血症: 7.0 mg/dLを超える場合
- 治療推奨: 8.0 mg/dL以上(合併症があれば7.0以上)
高尿酸血症は成人男性に多く見られ、女性も閉経後に増加する傾向があります。なぜ「7.0」が基準かというと、これを超えると血液の中に尿酸が溶けきれなくなり、関節に結晶が溜まり始める限界(飽和濃度)だからです。
■ 高尿酸血症を放置するリスク

【痛風発作】
尿酸が関節内で結晶化すると、白血球がその結晶を異物として攻撃し、激しい炎症(痛風発作)を起こします。足の親指の付け根に最も多く発症し、「風が当たるだけで痛い」ほどの激痛が特徴です。発作は数日〜1週間ほどで治まりますが、根本的な治療をしないと再発・慢性化します。
【腎障害・尿路結石】
尿酸の結晶が腎臓に沈着すると、腎臓の組織が傷つき(尿酸腎症)、腎機能が低下して将来的な人工透析につながる恐れがあります。また、尿路で石になる「尿路結石」も起こりやすくなり、こちらも七転八倒の激痛を伴います。
【心血管疾患】
高尿酸血症は独立した心血管疾患のリスク因子であり、高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロームなどを合併しやすくなります。
■ 生活習慣の改善ポイント
【プリン体の多い食品を控える】
レバー・白子・干物・あん肝・魚卵などはプリン体が豊富です。毎日多量に摂取することは控え、1日400mg以下を目安にしましょう。
【アルコールを控える】
「プリン体ゼロのビールやハイボールなら大丈夫」は大間違いです。アルコールそのものに「肝臓で尿酸をたくさん作らせる」「腎臓からの尿酸排泄をストップさせる」という2つの悪い働きがあります。種類を問わず、週2日以上の休肝日を設けましょう。
【水分を多く摂る】
1日2リットル以上の水を飲み、尿量を増やして尿酸を物理的に洗い流しましょう。ただし、ジュースなど果糖を含む甘い飲み物は、分解時に尿酸を発生させるため逆効果です。水やお茶を選んでください。
【適正体重を維持する】
肥満は尿酸の産生増加と排泄低下の両方につながります。ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れ、無理のない体重管理を行いましょう。
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:尿酸値が7.0を超えても痛風になるとは限りませんか?
A: はい。高尿酸血症があっても痛風発作を起こさない「無症候性高尿酸血症」の方は多く、全ての方にすぐ薬が必要なわけではありません。しかし、8.0mg/dLを超えると腎臓などの合併症を防ぐために治療が推奨される場合が多く、定期的な管理が重要です。
Q2:痛風の発作が出たとき、お風呂で温めたり揉んだりしてもいいですか?
A: 絶対にやめてください。温めたり揉んだりすると血行が良くなり、炎症が広がって痛みが激増します。まずは保冷剤などで冷やし、足を心臓より高くして安静にすることが正しい応急処置です。
Q3:野菜を先に食べる「ベジファースト」が痛風予防にもなると聞きましたが本当ですか?
A: 本当です。尿酸は尿が「酸性」だと溶けにくく、「アルカリ性」だとよく溶けて排出されます。野菜や海藻、きのこ類は尿をアルカリ性に傾けてくれるため、食事の最初に食べる(ベジファースト・カーボラスト)ことは痛風予防にも非常に効果的です。
Q4:健康診断で尿酸値の高さを指摘されました。病院に行くとすぐに結果はわかりますか?
A: はい、わかります。当院には迅速血液検査機が常設されており、尿酸値はもちろん、メタボの指標となるHbA1cや脂質、肝機能などの数値が最短15分程度で判明します。その日のうちに詳しい状態をご説明し、治療方針を立てることが可能です。
Q5:メタボや尿酸値の改善に、歯医者での治療が関係あるって本当ですか?
A: はい、大いに関係があります。お口の中の歯周病菌が血液中に入り込むと、全身の血管に微細な炎症を引き起こし、肥満や動脈硬化を悪化させることがわかっています。当院は「内科・歯科併設クリニック」ですので、内科での尿酸値・体重管理と並行して、歯科でお口の環境を整える「医科歯科連携」によるトータルサポートが可能です。
■ おわりに:痛みを我慢する前に、今できる数値の管理を

「健康診断で尿酸値が高いと言われたけれど、まだ一度も痛風の発作は起きていないから大丈夫」「ちょっと数値が高いだけだから、お酒を少し控えれば自然に下がるだろう」――そうやって日々の忙しさに紛れて、高尿酸血症のサインを放置していませんか? 冒頭でもお伝えした通り、尿酸値が7.0mg/dLを超えている状態というのは、コップの水に塩が溶けきれなくなり、底に結晶が沈殿し始めているまさに「爆弾を抱えた」ような状態です。その目に見えない「ガラスの破片のような結晶」が関節や腎臓でいつ牙を剥くか分かりません。ある日突然、歩くこともできないほどの激痛に襲われたり、知らず知らずのうちに腎臓がダメージを受けて取り返しのつかない状態になったりする前に、早い段階で手を打つことが何よりも大切です。
当院が大切にしている3つの安心サポート
- 日本内科学会等の専門的知見に基づく丁寧なコントロール 当院では、ただ「お酒や食事を控えましょう」と指導するだけでなく、患者さまの体質や生活背景、合併症のリスク(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)を総合的に評価し、無理なく続けられる食事・運動療法や適切な薬物療法をご提案します。
- 院内の迅速検査機によるスピーディーな健康チェック 「今の自分の尿酸値や代謝の状態はどうなっているのだろう?」とご不安な方のために、当院では迅速血液検査機を常設しています。尿酸値や肝機能などの結果が最短15分程度で判明するため、受診当日に詳しい状態をご確認いただけます。
- 「内科×歯科」の医科歯科連携による全身のトータルケア 高尿酸血症や生活習慣病の背景には、肥満やメタボだけでなく、お口の中の「歯周病」による慢性的な炎症が深く関わっていることが分かっています。当院は内科と歯科が同じ施設内に併設されているため、内科での生活習慣・尿酸値管理と並行して、歯科で「しっかり噛める健康なお口の環境」を整えるトータルケアを受けることができます。
「健診で尿酸値7.0以上を指摘された」「足の親指や関節になんとなく違和感がある」という方は、どうぞ一人で抱え込まずに、お気軽に明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。スタッフ一同、皆さまの健康な未来を温かくサポートいたします。