背中の痛みと膵臓の関係:ただの腰痛と思って放置してよい?

こんにちは。
JR明石駅南口より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
「背中が痛い」という症状は非常に多くの方が経験しますが、その原因のほとんどは筋肉痛・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などの整形外科的な問題です。しかし一部のケースでは、膵臓(膵炎・膵がん)・腎臓(腎結石・腎盂腎炎)・大動脈(大動脈解離)など、内臓の病気が背中の痛みとして現れることがあります。 この記事では、膵臓由来の背部痛の特徴と、整形外科的な背痛との見分け方を解説します。
■1. 膵臓からの痛みが背中に現れる理由

膵臓は腹腔内の後壁に位置する後腹膜臓器です。膵臓が炎症・腫瘤などで圧迫・刺激されると、背中(腰〜背骨の左右)への放散痛として感じられることがあります。これを「関連痛」といいます。 膵臓の痛みは通常、以下のような経路で背中に伝わります。
- 膵臓 → 腹腔神経叢 → 脊髄 → 背部
- 腹部の内臓神経と体性神経が脊髄で交差するため、背部痛として感じる
■2. 膵臓由来の背部痛の特徴

膵臓が原因の背部痛には、整形外科的な痛みとは異なる以下の特徴があります。
位置
- みぞおちから背中(T10〜L1の脊椎レベル)にかけての鈍痛
- 動かしても楽にならない(整形外科的な痛みは安静で改善しやすい)
- 前かがみになると楽になる(後腹膜への圧迫が減るため)
- 食後に増悪する(消化酵素の分泌で膵臓の負担が増える)
- 飲酒後に悪化する 随伴症状
- 食欲不振・体重減少
- 吐き気・嘔吐
- 黄疸(膵頭部病変の場合)
- 背部痛と同時に腹痛がある
■3. 腰痛・背痛の原因が膵臓を疑うべき「レッドフラグ(警告症状)」

以下の症状が背部痛に伴う場合は、内科・消化器科を受診してください。
- 体重が1〜3か月で5%以上減少した
- 食欲が明らかに低下している
- 皮膚・白目が黄色くなった(黄疸)
- 尿が濃い茶色・便が灰白色になった
- 整形外科的な治療(リハビリ・投薬)を受けているが改善しない
- 夜中に痛みで目が覚める(夜間痛)
- 背部痛が数週間以上続いている
■4. 膵臓の背部痛を確認するための検査

- 腹部超音波検査: まず行われるスクリーニング検査。膵臓の腫瘍や嚢胞、主膵管の拡張を確認できますが、腸管ガスで見えにくいこともあります。
- 血液検査(膵酵素): アミラーゼ・リパーゼの上昇は急性膵炎を示唆します。膵がんでは初期は正常のことも多いため、必要に応じて腫瘍マーカー(CA19-9など)や血糖・HbA1cの迅速測定(院内で最短15分)を組み合わせて評価します。
- CT検査: 造影CTで膵臓の腫瘤・膵管拡張・リンパ節腫脹を評価します。膵炎の重症度評価にも用います。
- EUS(超音波内視鏡): 膵臓を最も精密に観察できる検査です。CTで見えないような10mm前後の小さな病変や膵嚢胞内の変化も評価可能であり、背部痛の原因が膵臓にあると疑われる場合の確定診断や早期発見に極めて有用です。当院は明石市内のクリニックで唯一EUSを導入しており、日本膵臓学会認定指導医が検査を担当します。
■5. 膵臓疾患による背部痛の治療
- 急性膵炎: 入院・絶食・輸液が基本となります。重症例は基幹病院等での高度管理が必要です。
- 慢性膵炎: 禁酒・禁煙・低脂肪食が基本です。疼痛コントロールに鎮痛剤や膵酵素補充療法を行います。
- 膵がん: ステージに応じた手術・化学療法・放射線療法を検討します。痛みの管理には緩和ケアとの連携が重要です。
■6. 「ただの腰痛」と思って放置してはいけないケース

背部痛がある場合に整形外科のみで診てもらっていると、内臓疾患の発見が遅れてしまうことがあります。特に以下のような状況では、速やかに内科・消化器内科への受診をご検討ください。
- 整形外科で「骨や筋肉に異常なし」と言われたが痛みが続く
- 背部痛と胃腸症状(食欲不振・下痢・体重減少)が同時にある
- コルセットやリハビリを続けているが一向に改善しない
■まとめ:その背中の痛み、「ただの腰痛」と見過ごさないで

「背中が痛いのは、きっと歳のせいだ」「毎日仕事で重いものを持っているから筋肉痛だろう」――そう思い込んで湿布を貼り続けたり、マッサージに通ったりしていませんか?
もちろん多くの背部痛は整形外科的なものですが、中には「沈黙の臓器」と呼ばれる膵臓からの切実なSOSサインが隠れているケースがあります。
特に、前かがみになると少し楽になる、食後や飲酒後に痛みが強くなる、あるいは原因不明の体重減少や食欲低下を伴う場合は、決して放置してはいけません。
当院が大切にしている3つの安心サポート
- 「明石市唯一」のクリニックによる高度なEUS検査 微小な病変を見逃さない超音波内視鏡(EUS)を、地域に根ざした身近なクリニックで受けていただけます。日本膵臓学会認定指導医・1,500件以上の経験を持つ院長が、患者さまのお身体に優しく丁寧な手技でCTやMRIでは発見が難しい10mm前後の病変も精密に観察を行います。
- 患者さまの身体的・精神的ご負担への徹底した配慮 「内視鏡検査は苦しそう」というイメージを持たれがちですが、当院では鎮静剤を使用し、ウトウトと眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。不安な気持ちに寄り添い、苦痛なく安心して臨める環境づくりを大切にしています。
- 「いつでも相談できる」身近なパートナーとして 「整形外科で異常なしと言われたけれど痛みが取れない」「健診で少し気になることを言われた」といった日々の小さなご不安に対して、院内での迅速な血液検査(最短15分)や腹部エコーからEUS精密検査、そして基幹病院とのスムーズな連携まで一貫してサポートいたします。
膵がんは早期発見が極めて重要ながんですが、裏を返せば、早い段階で見つけることができれば根治が十分に期待できる病気でもあります。 「あの時、勇気を出して内科で診てもらって本当によかった」 そう心から感じていただけるよう、
当院の医師・スタッフ一同、心を込めてサポートいたします。続く背中の痛みやご不安がございましたら、どうぞ一人で抱え込んだり我慢したりせず、いつでもお気軽に明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。