膵臓がんサバイバーが語る早期発見の重要性:ステージI発見のための検査戦略

こんにちは。
JR明石駅南口より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
膵臓がんは「最も恐ろしいがん」の一つとして知られています。しかし、ステージI(早期)で発見できれば、5年生存率は80〜90%以上と非常に高くなります。問題は、膵臓がんが早期のうちにほとんど症状を出さないことです。
この記事では、膵臓がんを早期に発見するための検査戦略と、リスクがある方がどのように行動すべきかを解説します。
■1. 膵臓がんの現状:なぜこんなに予後が悪いのか

近年の統計でも、膵臓がんの5年生存率(全ステージ)は約13.5%と、主要ながんの中で最も低い水準にあります。理由は以下のとおりです。
- 早期は無症状で、発見時にはすでに進行していることが多い
- 膵臓の解剖学的な位置(深部臓器)から早期発見が難しい
- リンパ節・血管・神経への浸潤が早い
- 外科的切除(手術)が根治的治療だが、切除可能なのは全例の20〜30%程度
■2. 膵臓がんが早期発見される経緯
膵臓がんが早期(ステージI)で発見されるケースを調べると、いくつかのパターンがあります。
パターン1:健診での偶然発見
腹部超音波やCTを受けた際に、偶然1〜2cmの膵臓の腫瘤が見つかるケース。これが最も望ましい発見経路です。
パターン2:膵嚢胞(IPMN)の経過観察中に発見
IPMNと診断されて定期的に画像検査を受けていた患者が、経過観察中に早期の膵がんを発見されるケース。これが早期発見の「王道」といえます。
パターン3:新規糖尿病・血糖コントロール悪化がきっかけ
50歳以上で急に糖尿病を発症・悪化した患者に精密検査を行ったところ、膵臓がんが見つかるケース。
パターン4:EUSによる精密スクリーニング
腫瘍マーカーの上昇・家族歴・慢性膵炎などのリスクがある患者にEUSを実施して、CTでは見えなかった小さな膵がんを発見するケース。
■3. 高リスク者のための膵臓がんスクリーニング戦略
リスク層別化
膵臓がんのリスクには個人差があります。以下の基準で高リスク者を同定し、積極的なスクリーニングを行います。
- 非常に高いリスク
- BRCA1/2・PALB2などの遺伝子変異保持者
- 家族性膵がん(2人以上の一親等に膵がん)
- リンチ症候群・家族性大腸腺腫症(FAP)の患者
- 高リスク
- 一親等に膵がんが1人いる方(ただし50歳以下で発症した場合)
- 主膵管型IPMN・大型の分枝型IPMNの患者
- 慢性膵炎の患者(特に長期の飲酒歴)
- 新規発症の糖尿病(50歳以上・体重減少あり)
スクリーニングの方法
- 年1回のMRI(MRCP):膵管・膵嚢胞の評価
- 年1回のEUS(超音波内視鏡):小さな腫瘤の早期発見
- 6か月〜1年ごとの腫瘍マーカー測定(CA19-9・CEA)
■4. EUSが膵がん早期発見に革命をもたらす

超音波内視鏡(EUS)は、膵臓がんの早期発見において他の画像検査を大きく上回る感度を持っています。
- EUSの感度: 85〜95%(1cm以下の小膵がんでも)
- CTの感度: 50〜80%(1cm以下の病変では大幅に低下)
- 腹部超音波の感度: 40〜60%(腸管ガスで見えないことが多い)
EUSはリスクの高い患者への定期スクリーニングとして、国際的なガイドラインでも推奨されています(International Cancer of the Pancreas Screening Consortium指針)。当院は明石市内のクリニックで唯一EUSを導入しており、日本膵臓学会認定指導医が検査を担当します。
■5. 膵臓がん治療の希望:早期発見で変わる未来
膵臓がんの治療は進歩しており、早期発見された場合の予後は大きく改善しています。
- ステージI(腫瘍2cm以下・リンパ節転移なし): 80〜90%以上
- ステージII(リンパ節転移なし・切除可能): 50〜60%
- ステージIII(切除困難): 10〜15%
- ステージIV(遠隔転移あり): 5%未満
ステージIで発見できれば、外科的切除後の根治が十分に期待できます。
■まとめ:早期発見という希望を、確かな検査とともに

膵臓がんは「最も恐ろしいがん」の一つと言われていますが、決して打つ手がないわけではありません。その恐怖の正体は「早期に見つけることが難しい」という点にあります。しかし、ご自身のリスクを正しく知り、適切な時期に適切な検査を受けることができれば、ステージIでの早期発見・根治は十分に可能です。
当院が大切にしている3つの安心サポート
- 「明石市唯一」のクリニックによる高度なEUS検査 高度な技術と専門性が求められる超音波内視鏡(EUS)を、地域に根ざした身近なクリニックで受けていただける体制を整えています。日本膵臓学会認定指導医であり、1,500件以上のEUS施行経験を持つ院長が、CTやMRIでも見逃されやすい10mm前後の微小な病変を見逃さずに精密な観察を行います。
- 患者さまの身体的・精神的ご負担への徹底した配慮 「内視鏡検査は苦しそう」というイメージを持たれがちですが、当院では鎮静剤を使用し、ウトウトと眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。多くの方が「気づいたら終わっていた」とおっしゃるほど、不安な気持ちに寄り添い、苦痛なく安心して臨める環境づくりを大切にしています。
- 「いつでも相談できる」身近なパートナーとして 「家族に膵臓がんの人がいて心配」「健診で膵のう胞を指摘された」「最近なんとなくお腹や背中が調子悪い」といった日々の小さなご不安に対して、院内での初期の血液検査(膵酵素やHbA1cの迅速測定など)からEUS精密検査、そして必要に応じた基幹病院とのスムーズな連携まで一貫してサポートいたします。
「怖いから診たくない」というお気持ちは痛いほどよく分かります。しかし、症状がない今、そしてリスクに気づいた今こそが、ご自身の未来を守るための最大のチャンスです。 「あの時、勇気を出して受けておいて本当によかった」 そう心から感じていただけるよう、当院の医師・スタッフ一同、心を込めてサポートいたします。膵臓がんのリスクやご不安がございましたら、どうぞ一人で抱え込まずに、いつでもお気軽に明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。