超音波内視鏡(EUS)が膵がんの早期発見を変える:通常の検査では見えないものが見える

皆さま、こんにちは。
JR明石駅南口より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
膵臓がんは「沈黙の臓器のがん」と呼ばれ、症状が出にくく、発見時にはすでに進行していることが多いがんです。5年生存率は約12%(全ステージ平均)と、がんの中でも特に予後が悪い疾患の一つです。しかし超音波内視鏡(EUS:Endoscopic Ultrasonography)を活用することで、通常の検査では見えない小さな膵臓病変を発見できる可能性があります。
この記事では、EUSの概要・膵がん早期発見における役割・当院の対応について詳しく解説します。
■1. 膵臓がんが発見しにくい理由

膵臓は胃の後ろ(後腹膜)に位置しており、他の臓器に囲まれた「深部臓器」です。このため、腹部超音波検査やCT検査では、胃や腸のガスに遮られて見えにくいことがあります。
通常の検査の限界
• 腹部超音波: 腸管ガスで視野が遮られ、膵尾部が見えにくい
• 腹部CT: 造影CTで3cm以上の病変は発見しやすいが、小さな病変は困難
• MRI(MRCP): 胆管・膵管の描出に優れるが、10mm以下の病変は難しい
• 腫瘍マーカー(CA19-9): 早期がんでは正常範囲のことが多い(感度50〜60%)
これらの検査では1〜2cmの小さな膵がんを見つけることが難しく、発見時には平均3〜4cm以上になっているケースが多いのが現状です。
■2. EUS(超音波内視鏡)とは

超音波内視鏡(EUS)は、内視鏡の先端に超音波発信器(エコー)を組み込んだ特殊な検査機器です。胃や十二指腸の内腔から直接、膵臓に向けて超音波を当てることができるため、距離が非常に近く、高解像度の画像が得られます。
通常超音波との違い
• 通常の腹部超音波: 体表から超音波を当てる。膵臓まで10〜15cmの距離があり、ガスや骨、脂肪に邪魔される
• EUS: 胃・十二指腸の内側から超音波を当てる。膵臓まで数ミリ〜2cmの至近距離で、高解像度の画像が得られる
EUSは膵臓の近傍からリアルタイムで超音波観察できるため、10mm以下の小さな膵がんや膵嚢胞を発見できることがあります。
■3. EUSで発見できる膵臓の病変
膵がん(膵腺がん):

低エコー(暗い色)の腫瘤として描出される。周囲の血管への浸潤・リンパ節転移の評価も可能。EUSは1cm以下の小膵がんの発見において最も感度が高い検査の一つ。
膵嚢胞性病変(IPMN・MCN・SCNなど):

IPMNは膵管上皮から粘液が産生されることで生じる嚢胞性疾患。
一部はがんに進展するため、EUSで嚢胞内の隔壁・壁在結節(がん化のサイン)を精密に評価できる。
慢性膵炎:

膵臓の石灰化・萎縮・ひも状の主膵管拡張などを評価。慢性膵炎はがんのリスク因子でもある。
神経内分泌腫瘍(NET):
小さな神経内分泌腫瘍(インスリノーマ・ガストリノーマなど)はCTで見えにくく、EUSが威力を発揮。
■4. EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引術)について

EUSでは観察だけでなく、病変から組織を採取すること(EUS-FNA:Fine Needle Aspiration)も可能です。EUS-FNAは胃・十二指腸の壁を通して細い針を刺し、細胞を採取して確定診断を行います。
※EUS-FNAは合併症(出血・膵炎など)のリスクを伴うため、通常は入院設備のある連携病院(総合病院など)で実施されます。当院のEUS検査(観察)で組織検査が必要と判断された場合は、速やかに適切な高次医療機関へご紹介いたします。
■5. 膵がんのリスクが高い方へ:EUSをお勧めする条件

以下の方は膵がんのリスクが高く、EUSを含む精密検査を強く推奨します。
• ご家族(一親等など血縁者)に膵がん患者がいる方
• 慢性膵炎・膵嚢胞(IPMN)と診断されている方
• 急に糖尿病を発症した方、または急激に悪化した方(特に50歳以上)
• 原因不明の膵管拡張・胆管拡張がある方
• CA19-9やCEAなどの腫瘍マーカーが高い方
• 腹部超音波・CTで膵管の拡張や膵臓の萎縮、膵石を指摘された方
• 原因不明の体重減少・背部痛が続く方
■6. 明石やまだ内科歯科クリニックのEUS対応

明石やまだ内科歯科クリニックでは、日本膵臓学会認定の指導医による超音波内視鏡(EUS)検査を実施しています。EUSは高度な技術を要する専門的な検査であり、明石市内のクリニックで導入している施設は当院のみ(兵庫県下でも数件程度)です。
当院のEUS検査の特徴
• 日本膵臓学会認定指導医が担当
• 1,500件以上のEUS施行実績を持つ経験豊富な医師による精密な観察
• 異常発見時は、EUS-FNA等が可能な連携病院へ迅速に紹介
• 通常の内視鏡(胃カメラ)と同日に実施可能
• 地域の基幹病院と連携した迅速な紹介体制
■まとめ:膵がんの早期発見をあきらめないために

膵臓がんは「見つかりにくい、進行が早い」という特徴から、どうしても不安や恐れを抱かれやすい病気です。しかし、「初期症状が出にくいからこそ、症状が出る前の段階やわずかなサインを見逃さずに捉えること」ができれば、膵臓がんは決して太刀打ちできない病気ではありません。
当院が大切にしている3つのこだわり
1. 「明石市唯一」のクリニックでのEUS導入と専門医の技術 高度な専門性と技術が求められる超音波内視鏡(EUS)を、地域に根ざした身近なクリニックで受けていただける体制を整えています。日本膵臓学会認定指導医であり、1,500件以上の経験を持つ院長が、CTやMRIでも見逃されやすい10mm前後の微小な病変を見逃さずに精密な観察を行います。
2. 患者さまの身体的・精神的ご負担への徹底した配慮 「内視鏡検査は苦しそう」というイメージを持たれがちですが、当院では鎮静剤を使用し、ウトウトと眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。多くの方が「気づいたら終わっていた」とおっしゃるほど、不安な気持ちに寄り添い、苦痛なく臨める環境づくりを大切にしています。
3. 「いつもの場所で、いつでも相談できる」安心のトータルサポート 「健診で指摘された」「なんとなく背中が重い気がする」といった日々の小さなご不安に対して、院内での迅速血液検査(最短15分で膵酵素や糖尿病の指標となるHbA1cを測定)や腹部エコー、必要に応じたEUS精密検査、そして基幹病院とのスムーズな連携まで一貫してサポートいたします。また、当院は内科と歯科を併設しており、全身の健康を入り口からお守りする「医科歯科連携」の体制が整っているのも大きな強みです。
「自分は大丈夫かな」「家族に膵がんの人がいて心配だ」など、少しでも気になることがございましたら、どうぞ一人で抱え込まずに、手遅れになる前に明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。あなたの健康な未来を守るために、専門医として私たちが全力でサポートいたします。