空腹時血糖値の基準値と糖尿病・境界型の違い〜健診結果の正しい見方と改善法〜

皆さま、こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断で「血糖値が少し高めです」と指摘され、ドキッとした経験はありませんか?血糖値の異常は、糖尿病の診断に欠かせない重要な指標です。
「少し高いだけだから」と様子を見ている方の多くは「境界型(糖尿病予備群)」と呼ばれ、そのまま放置すると本格的な糖尿病へ進行してしまいます。
今回は、空腹時血糖値の正しい見方と、病気の進行を防ぐための対策について詳しく解説いたします。
■ 1. 空腹時血糖値とは何か?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。私たちが食事から摂った糖質は、腸でブドウ糖に分解・吸収され、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって全身の細胞に取り込まれ、生きていくためのエネルギーとして使われます。
健康診断で測定する「空腹時血糖値」は、食後の血糖値の変動を避けるため、原則として10時間以上絶食した状態で測定した数値を指します。
■ 2. 基準値と判定区分
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判定区分 |
空腹時血糖値 |
状態の目安 |
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正常型 |
99 mg/dL以下 |
正常な状態です。 |
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正常高値 |
100〜109 mg/dL |
正常の範囲内ですが、少し高めです。 |
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境界型(予備群) |
110〜125 mg/dL |
要精密検査。将来糖尿病になるリスクが高い状態です。 |
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糖尿病型 |
126 mg/dL以上 |
別の日の再検査でも同じ基準を超えれば糖尿病と診断されます。 |
境界型(110〜125 mg/dL)と判定された方は、そのまま何もしないと年間5〜10%の確率で糖尿病に進行すると言われています。一方で、この段階から適切な生活習慣の改善を始めれば、正常型に戻すことも十分に可能です。
■ 3. 血糖が高い状態を放置するリスク

慢性的な高血糖状態が続くと、血管の中は常に砂糖水のようにドロドロになり、全身の血管と神経を静かに傷つけていきます。進行すると、以下の「糖尿病の三大合併症」を引き起こします。
・糖尿病網膜症:眼底の血管が傷つき、失明の原因となります。
・糖尿病腎症:腎臓の機能が低下し、進行すると人工透析が必要になります。
・糖尿病神経障害:手足のしびれや感覚の麻痺が起こり、最悪の場合は足の切断に至ることもあります。
さらに、心筋梗塞や脳卒中といった太い血管の病気を発症するリスクも、健康な方の2〜4倍に跳ね上がります。
■ 4. 血糖値を上げない生活習慣のポイント

・食べる順番を工夫する(ベジファースト)
食事の際、まずは野菜や海藻(食物繊維)から食べ始め、次に肉や魚(タンパク質)、最後にご飯やパン(炭水化物)を食べるようにしましょう。この順番を守るだけで、食後の血糖値の急上昇を穏やかにすることができます。ゆっくりよく噛んで食べることも非常に重要です。
・低GI食品を選ぶ
GI値(血糖上昇指数)が低い食品を選ぶと、糖の吸収が緩やかになります。白米よりも玄米や麦飯、白いパンよりも全粒粉パンを選ぶように心がけましょう。
・食後のウォーキング(運動習慣)
筋肉は体の中で最も多くブドウ糖を消費する器官です。食後30分〜1時間後に15〜20分程度の軽いウォーキングを行うだけで、食後の血糖値の上昇を効果的に抑えることができます。
■ 5. よくあるご質問(Q&A)

Q1:健康診断で血糖値が高かったら、すぐに糖尿病と診断されますか?
A1:1回の測定のみで直ちに糖尿病と診断されることはありません。別の日にも空腹時血糖値が126mg/dL以上であるか、HbA1cが6.5%以上であるなどの条件を組み合わせて総合的に診断します。ただし、放置せず早めに精密検査を受けることが大切です。
Q2:「境界型(予備群)」と言われました。まだ治療しなくて大丈夫ですか?
A2:お薬による治療はすぐに必要ないケースが多いですが、「生活習慣の治療」は今すぐ始める必要があります。この予備群の段階で食事や運動を見直すことが、将来の糖尿病を防ぐ最大のチャンスです。
Q3:検査の前の「絶食」とは、お水も飲んではいけないのでしょうか?
A3:お水や糖分の入っていないお茶であれば飲んでいただいて問題ありません。むしろ脱水を防ぐために水分補給は必要です。しかし、スポーツドリンクや砂糖入りのコーヒーなどは血糖値を急上昇させるため絶対にお控えください。
Q4:HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは何が違うのですか?
A4:空腹時血糖値が「採血をしたその瞬間の血糖値」であるのに対し、HbA1cは「過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均」を示す指標です。どちらも糖尿病の診断と日々の管理に欠かせない大切な数値です。
Q5:血糖値を下げるために、歯医者さんでのケアも効果的だと聞きました。本当ですか?
A5:本当です。歯周病菌が血管に入り込むと、インスリンの働きを妨げて血糖値を下げにくくすることが医学的に証明されています。歯周病の治療を行うことで、血糖値(HbA1c)が改善するケースが多く報告されています。
■おわりに:早期の気づきとトータルケアで未来の健康を守る

健康診断で「空腹時血糖値が少し高め」と指摘されても、自覚症状が全くないため、「来年まで様子を見よう」「痛いところはないから大丈夫」と放置してしまう方が非常に多くいらっしゃいます。しかし、糖尿病は一度発症して進行してしまうと、失明や人工透析など、ご自身の生活を一変させる重篤な合併症を引き起こす恐ろしい病気です。「予備群」と言われた今この瞬間が、未来の健康を守るための最大の分岐点となります。
「内科の検査や数値の管理は少しハードルが高そう……」と思われるかもしれませんが、当院では患者さまが安心して第一歩を踏み出せるよう、以下の「3つの安心サポート」を大切にしています。
当院が大切にしている3つの安心サポート
- 専門医による丁寧な血液・数値管理と正確な評価
詳細な血液検査による血糖コントロールはもちろん、院内に迅速血液検査機を常設しているため、HbA1cや血糖値などの結果を最短15分程度で確認することが可能です(全症例が迅速検査対象ではありません)。受診されたその日のうちに現在の状態を詳しくご説明し、一人ひとりに合わせた具体的な治療・改善プランをご提案いたします。また、日本糖尿病学会の専門的知見に基づき、無理のない食事・運動指導から必要に応じたお薬の処方までを丁寧にサポートいたします。
- 患者さまの身体的・精神的ご負担への徹底した配慮
患者様お一人おひとりの生活リズムや体質に寄り添い、ストレスなく続けられる生活習慣の改善をアドバイスいたします。「自分にはどんな対策が必要なのか」といった疑問や不安も、どうぞお気軽にご相談ください。
- 「内科×歯科」の医科歯科連携によるトータルケア
血糖値をコントロールするための基本である「カーボラスト」や「よく噛んでゆっくり食べる」ことには、健康なお口の環境が欠かせません。当院は「内科と歯科が併設」のクリニックである最大の強みを生かし、内科での血糖管理と並行して、歯科での「しっかりと噛める健康なお口づくり」や歯周病治療を行う「医科歯科連携」によって、代謝の改善を入り口(お口)からトータルでバックアップいたします。
「数値が気になっているけれど、何から始めていいかわからない」「自分流の対策では結果が出ない」とお悩みの方は、決して結果用紙をしまったままにせず、ぜひお早めにJR明石駅南口より徒歩5分の明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。専門医の確かな視点で、皆さまの大切な血管と安心できる未来を全力でお守りいたします。