健康診断で「貧血」「多血症」と言われたら?〜赤血球・ヘモグロビンの正しい見方と隠れた疾患〜

皆さま、こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断の結果表で、「赤血球数(RBC)」や「ヘモグロビン(Hb)」の異常を指摘され、不安を感じた経験はありませんか?「貧血気味と言われたけれど、特にふらつかないから大丈夫」「数値が高いと言われたけれど、血が多いなら良いことでは?」と自己判断して放置するのは、実はとても危険です。今回は、血液の主役である赤血球とヘモグロビンの役割、そして数値の異常が教えてくれる「隠れた疾患」について詳しく解説いたします。
■ 1. 赤血球とヘモグロ
ビンの役割とは?
赤血球(RBC)は血液中で最も多い細胞成分で、骨髄で作られます。その赤血球の中に含まれている鉄を含んだタンパク質が「ヘモグロビン(Hb)」です。
私たちが肺で吸い込んだ「酸素」はヘモグロビンと結びつき、赤血球という船に乗って全身の臓器や細胞へと運ばれます。つまり、赤血球とヘモグロビンは、私たちが生きていくために不可欠な「酸素の運び屋」として連携して働いています。
■ 2. 基準値と数値の異常が示すサイン

健康診断では、赤血球数とヘモグロビンの数値をセットで確認することが重要です。
【ヘモグロビン(Hb)の基準値目安】
- 男性 基準値:13.7〜16.8 g/dL (13.0未満で貧血疑い)
- 女性 基準値:11.6〜14.8 g/dL (12.0未満で貧血疑い)
【数値が低い場合(貧血)】
ヘモグロビンや赤血球が減少すると、全身が「酸欠状態」に陥ります。これにより、倦怠感、息切れ、動悸、頭痛、顔面蒼白といった症状が現れます。ただし、ゆっくりと進行した慢性的な貧血の場合、体が酸欠に慣れてしまい、自覚症状が出にくいことも多いため注意が必要です。
【数値が高い場合(多血症・赤血球増多症)】
赤血球数(男性600万/μL以上、女性550万/μL以上)が高すぎる状態を多血症と呼びます。血液がドロドロになり、血栓(血の塊)ができやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。喫煙やストレス、肺疾患などが原因となるほか、骨髄の異常による「真性多血症」が隠れていることもあります。
■ 3. 貧血の種類と生活習慣の改善ポイント

貧血の約70%は、体内の鉄分が不足する「鉄欠乏性貧血」です。特に月経のある女性や妊婦さんに多く見られますが、食生活の改善で数値を回復させることが可能です。
- 鉄分を積極的に摂る: 吸収率の高い「ヘム鉄(レバー・赤身肉・カツオなど)」と、「非ヘム鉄(ほうれん草・小松菜・ひじきなど)」をバランスよく摂りましょう。
- ビタミンCと一緒に摂る: 野菜に含まれる非ヘム鉄は、ビタミンC(レモンやピーマンなど)と一緒に摂ることで吸収率が3〜4倍にアップします。
- 食事中のお茶・コーヒーに注意: 緑茶やコーヒーに含まれる「タンニン」は鉄の吸収を邪魔してしまうため、食事中や食後すぐは避けるのが無難です。
- ビタミンB12・葉酸の補給: 鉄分だけでなく、赤血球を作るために必要なビタミンB12(肉・魚・卵)や葉酸(枝豆・アボカドなど)もしっかり摂りましょう。
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:赤血球数が正常でも貧血になることはありますか?
A1:はい、あります。鉄分が不足し始めた初期段階では、赤血球の「数」は正常でも、中身である「ヘモグロビン」や体内の貯蔵鉄(フェリチン)が先に減少する「潜在性鉄欠乏」が起こります。疲れやすいなどの症状がある場合は、フェリチンを含めた詳しい血液検査をお勧めします。
Q2:鉄分のサプリメントを飲んでも数値が改善しないのはなぜですか?
A2:食事やサプリメントで鉄分を補っても貧血が治らない場合、「胃潰瘍」や「大腸がん」など、消化管のどこかから慢性的に出血して鉄分が失われ続けている可能性が強く疑われます。この場合は根本的な原因(出血源)の治療が必要です。
Q3:数値が高すぎる「多血症」と言われた場合、日常生活で気をつけることはありますか?
A3:多血症の大きな原因の一つが「喫煙」です。まずは禁煙を心がけ、血液のドロドロを防ぐためにこまめに水分を摂取してください。それでも数値が下がらない場合は、血液内科での詳しい検査が必要になることがあります。
Q4:貧血の検査で「胃カメラ」や「大腸カメラ」を勧められるのはなぜですか?
A4:特に男性や、閉経後の女性が「鉄欠乏性貧血」になった場合、胃がんや大腸がんからのジワジワとした出血が原因である可能性が非常に高いためです。貧血は、これらの重大な病気が発している唯一の「SOSサイン」であることが多いため、内視鏡検査による確認が不可欠です。
Q5:貧血を改善するために、歯科でのケアも役立つと聞いたのですが本当ですか?
A5:本当です。貧血を改善するためには、お肉などの良質なタンパク質や鉄分を「しっかり噛んで消化・吸収」することが大前提となります。むし歯や歯周病で歯が痛いと、柔らかく糖質の多い食事に偏り、鉄分不足が加速します。また、重度な歯周病の歯茎からの慢性的な出血が貧血の一因になることもあります。
■ おわりに見逃してはいけないサインとトータルケア

健康診断で「貧血気味」と指摘されても、「いつものことだから」「めまいなどの症状が特にないから」と、市販のサプリメントだけでやり過ごして放置してしまう方は非常に多くいらっしゃいます。しかし、特に男性や閉経後の女性に見られる貧血は、単なる鉄分不足ではなく、胃潰瘍や大腸がんといった命に関わる病気が発している「見えないSOS(消化管からの出血)」である可能性が十分にあります。出血の原因を突き止めないまま鉄分だけを補給しても、根本的な解決には至りません。
「内科の検査や内視鏡は少しハードルが高そう……」と思われるかもしれませんが、当院では患者さまが安心して第一歩を踏み出せるよう、以下の「3つの安心サポート」を大切にしています。
当院が大切にしている2つの安心サポート
1. 専門医による正確な評価と苦痛の少ない内視鏡検査
当院では、貧血の真の原因を突き止めるために欠かせない「胃カメラ」や「大腸カメラ」を、鎮静剤を使用してウトウトと眠っているようなリラックスした状態で受けていただける体制を整えています。もし大腸カメラの検査中にがんの芽となるポリープが見つかった場合は、その場での日帰り切除も可能なため、患者様の心身の負担を最小限に抑えながら確実な診断と治療を行うことができます。
2.「内科×歯科」の医科歯科連携によるトータルケア
貧血を予防・改善するためには、お肉などの鉄分が豊富な食材を「しっかりと噛み砕き、胃腸へ送る」という最初の消化プロセスが何よりも重要です。当院は「内科と歯科が併設」のクリニックである最大の強みを生かし、消化器内科での専門的な血液検査・内視鏡検査と並行して、歯科での「しっかり噛める健康なお口づくり」や歯周病治療を行う「医科歯科連携」によって、お口から胃腸までのトータルケアをご提供いたします。
「少し疲れやすいだけ」「サプリを飲んでいるから大丈夫」と自己判断して放置することは大変危険です。健診で赤血球やヘモグロビンの異常を指摘された方は、ぜひ一度、JR明石駅南口より徒歩5分の明石やまだ内科歯科クリニックへお気軽にご相談ください。専門医による的確な診断で、皆さまの大切な健康と安心を全力でお守りいたします。