「鼻からスイカが出るほど痛い!?」急性膵炎の恐ろしさと予防法〜次長課長・河本準一さんも休養〜

皆さま、こんにちは。
JR明石駅南口より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
先日、お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんが膵臓(すいぞう)の疾患により休養を発表され、ニュースで大きく取り上げられました。河本さんは過去に何度も「急性膵炎(きゅうせいすいえん)」を発症し、意識を失ってICU(集中治療室)に入られた壮絶な経験をご自身のSNSや番組で語られています。
今回は、河本さんも「ちょっと死ぬ病気やった」と振り返るほど恐ろしい「急性膵炎」の原因や症状、そして予防法について分かりやすく解説いたします。
■ 1. 急性膵炎とは?〜自分自身を溶かしてしまう病気〜

膵臓は、胃の裏側(後腹膜)にある臓器です。血糖値を下げるインスリンを出したり、食べ物をドロドロに溶かすための強力な「消化酵素」を作り、腸へ送る働きをしています。 通常、この消化酵素は腸に届いてから働き始めるため、自分の内臓を溶かすことはありません。しかし、何らかの原因で、この強力な消化酵素が「膵臓の中」で誤って働き始めてしまうことがあります。これが急性膵炎です。 まるで胃酸が胃を溶かすように、強力な酵素が膵臓そのものや周囲の脂肪をドロドロに溶かしてしまい、最悪の場合は全身の臓器に炎症が広がり、命に関わる重篤な状態(多臓器不全など)に陥ります。
■ 2. 「鼻からスイカが出るほど痛い」?急性膵炎の症状
急性膵炎の最も特徴的な症状は、「強烈な腹痛」です。 河本さんもSNSで「鼻の穴からスイカが出てくるほど痛い」「多分ぐらい腹がいてぇー!」と表現されていたように、みぞおちからおへそにかけて、または背中にかけて、急激に耐え難い痛みに襲われます。 その他にも以下のような症状が現れます。
- お腹を押すと強く痛む
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振・発熱
- 前かがみ(エビのように丸まる姿勢)になると痛みが少し和らぐ
■ 3. 急性膵炎の原因は「アルコール」と「胆石」
急性膵炎を引き起こす主な原因は、大きく分けて以下の2つです。
① アルコール(特に男性に多い)

大量のアルコールは膵臓の細胞に直接ダメージを与え、消化酵素の分泌を異常に増やしてしまいます。暴飲暴食やストレスが重なると発症リスクが高まります。
② 胆石(特に女性に多い)

胆のうにできた石(胆石)が、膵臓の管の出口(総胆管)に詰まってしまうことで、膵液の流れがせき止められて逆流し、急性膵炎を引き起こします。
その他、中性脂肪が極端に高い「脂質異常症」や、原因不明(特発性)、まれに初期の膵臓がんが原因となることもあります。
■ 4. 診断と治療〜「絶飲絶食」で膵臓を休ませる〜

急性膵炎が疑われる場合、血液検査(アミラーゼやリパーゼといった膵酵素の数値)と画像検査(腹部エコーやCT検査)で迅速に診断を行います。 治療の基本は、河本さんが「絶飲、絶食やってきます」「スタートはお米だけ」と語られていた通り、絶対的な「絶飲・絶食」です。少しでも食べ物や飲み物を口にすると、膵臓が消化酵素を出そうと働いてしまい、自らをさらに溶かしてしまうためです。 入院して点滴で十分な水分と栄養を補給しながら、膵臓を完全に休ませます。重症の場合はICUでの集中治療や、透析、人工呼吸器が必要になることもあります。
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:急性膵炎はどれくらいで治りますか?
A1: 軽症であれば数日から1週間程度の絶食と点滴で軽快することが多いです。しかし重症になると、数週間から数ヶ月、合併症(感染や壊死など)が起きればそれ以上の長期入院が必要になることもあります。
Q2:急性膵炎が治った後は、お酒を飲んでも大丈夫ですか?
A2: 急性膵炎を一度でも発症した方は、再発の危険性が非常に高いため、基本的には「禁酒」が強く推奨されます。アルコールは膵臓の細胞に直接毒性をもたらすため、膵炎後の飲酒は命を削る行為になりかねません。
Q3:胆石があると言われたことがありますが、痛くないので放置してもいいですか?
A3: 急性膵炎の大きな原因になりますので、放置は危険です。特に胆のうから転がり落ちた「総胆管結石」と呼ばれる状態は、無症状であっても内視鏡などで治療しておくことが、命に関わる急性膵炎や重篤な胆管炎を防ぐために重要です。
Q4:急性膵炎を予防するために、日常生活で気をつけることは何ですか?
A4: アルコールの飲みすぎと、脂っこい食事(暴飲暴食)を避けることが一番の予防です。脂質の多い食事は膵液を過剰に分泌させ、膵臓に大きな負担をかけます。また、健康診断で中性脂肪が高いと言われた方は、しっかりと数値を下げる治療を受けることが大切です。
Q5:急性膵炎と、お口の健康(歯医者での治療)は関係がありますか?
A5: 直接の原因ではありませんが、間接的に深く関わっています。歯周病や噛み合わせの不調でよく噛めないと、早食いになり消化管や膵臓へ急激な負担をかけてしまいます。また、重度の歯周病による慢性的な炎症は全身の血管や代謝を悪化させ、臓器に負担をかける要因となります。
■ おわりに:早期の気づきとトータルケアで未来の健康を守る

「ちょっと胃が痛いだけだろう」「お酒を飲みすぎたかな」と自己判断して我慢しているうちに、急性膵炎が重症化してしまうケースは決して珍しくありません。みぞおちや背中に、今まで経験したことがないような強い痛みを感じた場合は、決して我慢せず、すぐに救急外来や医療機関を受診してください。
「膵臓の不調や数値の異常をどうやって防げばいいのか分からない」と思われるかもしれませんが、当院では患者さまが安心して日頃の健康管理に取り組めるよう、以下の「3つの安心サポート」を大切にしています。
- 日本膵臓学会認定指導医による精密な診断とエコー検査 当院の院長は日本膵臓学会認定指導医の資格を有しており、膵臓や胆道系疾患の診療経験が豊富です。痛みのない「腹部エコー検査」を用いて、胆石の有無や脂肪肝、膵臓の腫大・膵管拡張などを丁寧に確認します。
- 患者さまの身体的・精神的ご負担への徹底した配「お酒を減らしたいけれど難しい」「どんな食事改善から始めればいいか分からない」といったお一人おひとりの生活背景に寄り添い、無理のない食事・禁酒のサポートや適切なお薬の処方を行います。少しでも気になる違和感や不安があれば、何でも気兼ねなくご相談ください。
- 「内科×歯科」の医科歯科連携によるトータルケア 膵臓への急激な負担を和らげる基本は、健康的な食事を「ゆっくりとよく噛んで食べる」ことです。当院は兵庫県下でも珍しい「内科と歯科を併設しているクリニック」です。内科での生活習慣病や膵機能の管理と並行して、歯科で「しっかり噛める健康なお口の環境」を整える医科歯科連携によって、消化器とお身体全体の健康を入り口からトータルでお守りいたします。
「健診で中性脂肪や肝機能が高いと言われた」「胆石がないか心配」「時々みぞおちや背中が重苦しい」など、少しでも気になるサインがありましたら、決して放置せず、お早めにJR明石駅南口より徒歩5分の明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。専門医の確かな視点で、皆さまの大切な健康を全力でサポートいたします。