【医師が解説】AST(GOT)・ALT(GPT)の基準値と異常|肝炎・脂肪肝との関係

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JR明石駅南口より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断の肝機能検査で必ず測定される「AST(GOT)」と「ALT(GPT)」。数値が高いと何の病気が疑われるのか、不安になりますよね。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなり状態が悪くなるまで自覚症状が出にくいのが特徴です。
今回は、肝臓学会専門医の視点から、AST・ALTの数値が示す意味と、改善のためのポイントについて解説します。
■ AST・ALTとは何を測る指標か

ASTとALTは、ともに肝細胞内に存在する酵素(アミノ基転移酵素)です。肝細胞が何らかの原因でダメージを受けて傷つくと、細胞内の酵素が血液中に漏れ出し、血液検査の数値(血中濃度)が上昇します。
ASTは肝臓だけでなく心筋・骨格筋・腎臓・赤血球などにも広く存在するのに対し、ALTは主に「肝臓」に多く存在します。そのため、ALTは肝臓の特異的なダメージを測る指標として特に重視されます。
■ 基準値と判定区分

一般的な基準値と判定区分は以下の通りです。
• AST 基準値: 13〜30 U/L
• ALT 基準値(男性): 10〜42 U/L
• ALT 基準値(女性): 7〜23 U/L
• 軽度上昇: 31〜100 U/L
• 中等度上昇: 101〜500 U/L(急性肝炎など)
• 高度上昇: 500 U/L以上(重篤な肝障害)
■ ASTとALTのパターンで疑われる疾患
数値のバランスによって、疑われる病気が異なります。
• 【ALTが優位に高い場合(ALT > AST)】
脂肪肝や、非アルコール性脂肪肝炎(NASH/MASH)が最も多い原因です。肥満・糖尿病・高脂血症の方に多く見られます。
• 【ASTが優位に高い場合(AST > ALT)】
アルコール性肝障害・肝硬変のほか、心筋梗塞・筋肉疾患(横紋筋融解症)でもASTのみが上昇します。激しい運動後にも一時的にASTが上昇することがあります。
• 【AST・ALT両方が高い場合】
ウイルス性肝炎(B型・C型)・薬剤性肝障害・自己免疫性肝炎などが疑われます。
■ 生活習慣の改善ポイント

【脂肪肝の改善】
脂肪肝の主な原因は、食べ過ぎ・運動不足・飲酒です。体重を3-5%減らすことで肝臓の脂肪が減少し、肝機能の数値が改善したという報告もあります。糖質(白米・パン・甘い飲料など)の摂り過ぎが最大の要因となるため、当院が推奨している「カーボラスト(炭水化物を最後に食べる)」を実践し、血糖値の急激な上昇を防ぐ工夫をしましょう。
【アルコールの節制】

週2日以上の休肝日を設け、1日の飲酒量は日本酒1合・ビール500ml以下に抑えましょう。AST・ALTだけでなく、γ-GTPの数値もともに改善することが多いです。
【薬剤の見直し】

市販の解熱鎮痛薬やサプリメントの過剰摂取でも肝機能障害が起こることがあります。常用薬がある場合は医師にご相談ください。
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:健康診断でAST・ALTが高かったら次回はいつ再検査を受けるべきですか?
A: 軽度上昇(100 U/L以下)の場合は1〜3ヶ月後の再検査が目安ですが、まずは一度医療機関にご相談ください。100 U/L以上の場合は速やかに消化器内科を受診し、精密検査を受ける必要があります。当院には迅速血液検査機があり、肝機能などの数値が最短15分程度で判明します。
Q2:お酒を飲まないのに数値が高いと言われました。なぜでしょうか?
A: 飲酒をしない方でも、食べ過ぎや運動不足による肥満が原因で肝臓に中性脂肪がたまる「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/MASLD)」の可能性があります。放置すると肝炎や肝硬変に進行する恐れがあるため、お酒を飲まない方でも注意が必要です。
Q3:自分が脂肪肝かどうか、詳しく調べることはできますか?
A: はい、可能です。当院では腹部超音波(エコー)検査で肝臓の詳しい状態を調べることができます。当院のエコー機器(富士フイルム社製ARIETTA)は、脂肪肝の程度を「iATT」という指標を用いて客観的に数値化して評価できる最新のものです。
Q4:運動後にASTが高くなりましたが大丈夫ですか?
A: 激しい運動(マラソン・筋トレ)後はASTが一時的に上昇します。ALTが正常の場合は肝臓由来でなく筋肉由来の可能性が高いので、運動を休んで1〜2週後に再測定してみましょう。
Q5:肝臓の数値を改善するのに、歯医者でのケアが関係あるというのは本当ですか?
A: はい、本当です。歯周病菌が体内に入り込むと炎症物質が作られ、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを悪くしてしまい、結果的に肝臓に脂肪がたまりやすくなります。当院は「内科・歯科併設クリニック」ですので、歯科でお口の環境を整えつつ、内科で肝機能を管理する「医科歯科連携」によるトータルサポートが可能です。
■ おわりに:沈黙の臓器からのSOSを見逃さないで

「健康診断の肝機能の項目で少し引っかかったけれど、特に痛みもないし、まだ大丈夫だろう」――そうやって日々の忙しさに紛れて見過ごしてしまっていませんか? 冒頭でもお伝えした通り、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、多少のダメージでは弱音を吐きません。ASTやALTの数値が軽度であっても上昇しているということは、肝臓の細胞が何らかの原因で傷つき、SOSを発している動かぬ証拠です。このサインを放置してしまうと、気づかないうちに脂肪肝から肝炎、そして肝硬変へと深刻な状態に進行してしまうリスクがあります。
当院が大切にしている3つの安心サポート
1. 肝臓学会専門医による専門的な評価と最新エコー検査 当院には肝臓学会専門医が在籍しており、AST・ALT上昇の原因を的確に突き止めます。また、富士フイルム社製のエコー機器(ARIETTA)を用いて、脂肪肝の程度を「iATT」という客観的な数値で正確に評価できるため、治療の効果や改善度も目に見えて分かりやすくなります。
2. 院内の迅速検査機によるスピーディーな健康チェック 「今の自分の肝臓や代謝の状態はどうなっているのだろう?」とご不安な方のために、当院では迅速血液検査機を常設しています。肝機能などの結果が最短15分程度で判明するため、受診当日に詳しい状態をご確認いただけます。
3. 「内科×歯科」の医科歯科連携によるトータルケア 肝機能の悪化や脂肪肝の背景には、偏った食生活だけでなく、お口の中の「歯周病」が関わっているケースが少なくありません。当院は内科と歯科が同じ施設内に併設されているため、内科での生活習慣・肝機能管理と並行して、歯科で「しっかり噛める健康なお口の環境」を整えるトータルケアを受けることができます。
「健康診断で数値の異常を指摘された」「お腹周りや脂肪肝が気になっている」という方は、どうぞ一人で抱え込まずに、お気軽に明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。スタッフ一同、皆さまの大切な肝臓と健康な毎日を温かくサポートいたします。