LDLコレステロール(悪玉)の基準値と動脈硬化・心筋梗塞リスク〜正しい知識で血管を守る〜

皆さま、こんにちは。
JR明石駅南口より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断で「LDLコレステロールが高い」と指摘され、不安を感じた経験はありませんか?LDLコレステロールは一般的に「悪玉コレステロール」と呼ばれています。血液中に増えすぎると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めるため、日頃からの適切な管理が非常に重要です。今回は、正しい基準値と数値を改善するためのポイントについて詳しく解説いたします。
■ 1. LDLコレステロールとは何か?

LDL(低密度リポタンパク質)は、肝臓で作られたコレステロールを全身の細胞へ運ぶという、体にとって大切な役割を担っています。決して不要なものではありませんが、過剰に増えると血管の壁に入り込んで沈着し、「プラーク(こぶ)」を形成します。これにより血管が狭く、硬くなってしまう状態が「動脈硬化」です。このプラークが破れて血栓(血の塊)ができると、血管を塞ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。
■ 2. 基準値と判定区分
以下の表は、一般的なLDLコレステロールの基準値です。
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判定区分 |
LDLコレステロール値 |
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適正値 |
120 mg/dL未満 |
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境界域 |
120〜139 mg/dL |
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高LDL(要治療検討) |
140 mg/dL以上 |
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重症高LDL |
180 mg/dL以上(家族性高コレステロール血症の可能性) |
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冠動脈疾患がある方の目標 |
70 mg/dL未満 |
※目標値はリスク因子(高血圧・糖尿病・喫煙・ご家族の心疾患歴など)の有無によって異なります。リスクが多い方ほど、より厳格な数値管理が求められます。
■ 3. LDLが高くなる原因と放置するリスク

LDLが140 mg/dL以上の「高LDLコレステロール血症」は、動脈硬化を引き起こす主要な原因です。さらに180 mg/dL以上の方は、遺伝的な要因が強い「家族性高コレステロール血症」の可能性があり、若年期から心筋梗塞などを発症するリスクが高まるため特に注意が必要です。
高くなる主な原因は以下の通りです。
- 飽和脂肪酸(バター、肉の脂身、ラード、生クリームなど)やトランス脂肪酸の過剰摂取
- 運動不足による脂質代謝の低下
- 遺伝的な体質
- 甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、糖尿病などの疾患による影響
■ 4. 数値を下げるための生活習慣改善ポイント
【食事の改善】

悪玉コレステロールを上げる原因となる飽和脂肪酸(牛肉・豚肉の脂、全脂乳製品など)を減らし、オリーブオイルや青魚、ナッツ類などの良質な油に置き換えましょう。また、野菜、大豆、きのこ、海藻などに含まれる「食物繊維」は、腸内で余分なコレステロールを吸着し、体外へ排出してくれる強い味方です。
【適度な運動】

1日30分程度、週150分以上の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を継続することで、脂質バランスの改善が期待できます。無理のない範囲での筋力トレーニングも代謝の向上に有効です。
【お薬による治療】

生活習慣を改善しても数値が十分に下がらない場合や、すでに動脈硬化のリスクが高い場合は、「スタチン系」と呼ばれるコレステロールの合成を抑えるお薬が処方されます。このお薬は、心筋梗塞や脳卒中の予防効果が医学的に実証されている信頼性の高い治療薬です。
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:コレステロールを含む食品(卵など)は一切避けるべきですか?
A1: 以前は「卵は1日1個まで」と食事からのコレステロール制限が重視されていましたが、現在ではそれよりも「飽和脂肪酸(お肉の脂身やバターなど)」を控えることの方が重要だとされています。卵は栄養価が高いため、1日1個程度であれば、バランスの良い食事の範囲内で召し上がっていただいて問題ありません(なお、健康な人には卵1日1個までという上限はありません)。
Q2:痩せているのにLDLコレステロールが高いのはなぜですか?
A2: LDLコレステロールは体型(肥満)だけでなく、生まれつきの遺伝的な体質や、女性ホルモンの変化によっても高くなります。特に女性は、更年期を迎えてコレステロールを調整していたエストロゲンが減少すると、痩せていても急激に数値が上がることがよくあります。
Q3:LDLを下げるお薬は、飲み始めたら一生やめられませんか?
A3: 必ずしも一生飲み続けるわけではありません。食事や運動などの生活習慣が改善し、数値が安定すればお薬を減らしたり、休薬したりできるケースもあります。ただし、遺伝的な体質がある方や、すでに心疾患のリスクが高い方の場合は、再発予防のために長期的な服薬が必要になります。自己判断でお薬をやめるのは危険ですので、必ず医師にご相談ください。
Q4:お酒の飲みすぎもLDLコレステロールを上げますか?
A4: お酒(アルコール)自体はLDLコレステロールを直接上げる主な原因ではありません。しかし、飲みすぎると「中性脂肪」を急激に上昇させます。中性脂肪が増えすぎると、結果的にLDLが小型で血管に入り込みやすい「超悪玉コレステロール」に変化してしまい、動脈硬化を悪化させるため、適量(1日1〜2杯程度)を守ることが大切です。
Q5:LDLコレステロールや動脈硬化は、お口の健康とも関係があるのでしょうか?
A5: はい、非常に深い関係があります。お口の中の「歯周病菌」が歯茎の毛細血管から全身の血流に乗ると、血管の壁に微小な炎症を引き起こします。この炎症が、LDLコレステロールが血管の壁にへばりついてプラーク(塊)を作るのを促進し、動脈硬化を急速に悪化させることが近年の研究で明らかになっています。
■ おわりに:早期の気づきとトータルケアで未来の健康を守る

健康診断で「LDLコレステロールが高め」と指摘されても、初期段階では痛みや息苦しさといった自覚症状が全くないため、「まだ大丈夫だろう」「どこも痛くないし」と放置してしまう方が少なくありません。しかし、その間にも血管の内側では確実にドロドロのプラークが蓄積し、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる大きな発作を引き起こします。症状がないうちに数値をコントロールすることこそが、未来の健康と命を守る確実な方法です。
「内科の検査や数値の管理は少しハードルが高そう……」と思われるかもしれませんが、当院では患者さまが安心して第一歩を踏み出せるよう、以下の「2つの安心サポート」を大切にしています。
- 患者さまの身体的・精神的ご負担への徹底した配慮 患者様お一人おひとりの生活リズムや体質に寄り添い、無理のない食事・運動指導と、必要に応じた適切なお薬の処方を行っております。疑問や不安をそのままにせず、何でもお気軽にご相談ください。
- 「内科×歯科」の医科歯科連携によるトータルケア 動脈硬化の進行を食い止めるためには、血管に慢性的な炎症を引き起こす原因となる「歯周病」の治療が欠かせません。当院は兵庫県下でも珍しい「内科と歯科を併設しているクリニック」です。内科的なアプローチによる血液の数値改善と、歯科での専門的な口腔ケアを同時に進める「医科歯科連携」によって、全身の血管を多角的に守るトータルケアをご提供いたします。
「数値が気になるけれど、何から手をつければいいかわからない」「自分にお薬が必要なのか相談したい」とお悩みの方は、決して結果用紙をしまったままにせず、ぜひお早めにJR明石駅南口より徒歩5分の明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。専門医の確かな視点で、皆さまの大切な血管と安心できる日常を全力でお守りいたします。