健康診断で「尿潜血(+)」と言われたら?〜見えない血尿が教える重大なサイン〜
皆さま、こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断の尿検査で「尿潜血(にょうせんけつ)がプラスです」と指摘され、驚いた経験はありませんか?
ご自身の目で見て尿が赤くなければ、「どこも痛くないし、たまたま出ただけだろう」と放置してしまいがちです。しかし、尿潜血は腎臓や尿管、膀胱といった「尿の通り道(尿路)」からの出血を知らせる、非常に重要なサインです。
今回は、尿潜血の正しい見方と、背後に隠れた病気について詳しく解説いたします。
■ 1. 尿潜血検査とは何か?

尿潜血検査とは、文字通り「尿の中に潜んでいる血液(赤血球などの成分)」がないかを調べる検査です。
目で見て明らかに尿が赤かったり茶色かったりする状態を「肉眼的血尿」と呼びますが、尿潜血検査では、顕微鏡や試験紙を使わなければ分からないレベルの微量な出血(顕微鏡的血尿)を見つけることができます。肉眼で見えなくても、重大な病気が隠れている危険性は十分にあります。
■ 2. 基準値と判定区分
健康診断では、一般的に試験紙を用いて以下のように判定されます。
・正常(陰性):− (尿に血液は混じっていません)
・要注意:± (疑陽性。一時的なものの可能性もありますが、再検査が推奨されます)
・異常(陽性):+、2+、3+ (尿路のどこかで出血しています。精密検査が必要です)
■ 3. 尿潜血が陽性になる主な原因

① 尿路結石
最も多い原因の一つです。腎臓や尿管に石(結石)ができ、それが粘膜を傷つけることで出血します。背中や脇腹の突然の激しい痛みや、吐き気を伴うことが多いのが特徴です。
② 膀胱炎・腎盂腎炎
細菌が尿道から入り込み、膀胱や腎臓で炎症を起こしている状態です。排尿時の痛み、残尿感、頻尿、発熱などを伴います。体の構造上、特に女性に多く見られる疾患です。
③ 腎炎(慢性糸球体腎炎・IgA腎症など)
腎臓のろ過装置そのものに炎症が起きている状態です。尿潜血だけでなく「尿蛋白」も同時に陽性になることが多く、放置すると腎機能が低下して人工透析につながる恐れがあります。
④ 膀胱がん・腎がん
最も注意しなければならないのが悪性腫瘍(がん)です。がんによる血尿は「痛みを全く伴わない(無症候性血尿)」という恐ろしい特徴があります。特に50歳以上の方や、タバコを吸う方はリスクが高いため厳重な注意が必要です。
⑤ 一過性の要因(生理的要因)
病気ではなくても、激しい運動の後や高熱が出た時、脱水状態の時には一時的に尿潜血が陽性になることがあります。
■ 4. 尿路結石やがんを防ぐ生活習慣のポイント

・尿路結石の予防(こまめな水分補給)
結石を防ぐ最も効果的な方法は、1日2リットル以上の水分をこまめに摂り、尿を薄めることです。また、ほうれん草やナッツ、チョコレートなどに含まれる「シュウ酸」や、塩分、動物性タンパク質の摂りすぎにも注意しましょう。
・膀胱がんの予防(禁煙)
タバコに含まれる発がん物質は、血液に取り込まれた後、尿として排泄されるため、膀胱の粘膜を長期間にわたって刺激し続けます。喫煙者は非喫煙者に比べて膀胱がんのリスクが2〜3倍高まるため、禁煙が最大の予防策です。
■ 5. よくあるご質問(Q&A)

Q1:尿潜血が陽性でも、全く痛みがなければ放置して大丈夫ですか?
A1:絶対に放置しないでください。痛みを伴う血尿は結石や膀胱炎の可能性が高いですが、逆に「痛みのない血尿(無症候性血尿)」は膀胱がんや腎がんなどの悪性腫瘍の疑いが強くなります。痛みがなく、血尿が出たり出なかったりを繰り返す場合は、早急に泌尿器科や当院での精密検査が必要です。
Q2:女性の場合、月経中(生理中)に検査を受けても良いですか?
A2:月経中は経血が尿に混入し、尿潜血が「偽陽性」となってしまうため、正確な判定ができません。月経が完全に終わってから3〜4日以上経過した後に検査を受けていただくことをお勧めします。
Q3:尿潜血だけでなく、尿蛋白も陽性(+)でした。危険ですか?
A3:尿潜血と尿蛋白が同時に陽性になっている場合、IgA腎症などの「慢性的な腎炎」が隠れている可能性が非常に高くなります。自覚症状がなくても腎臓の機能が徐々に失われていく病気ですので、早急に精密検査を受けてください。
Q4:尿路結石になりやすい食べ物はありますか?
A4:結石の成分となりやすい「シュウ酸」を多く含む食品(ほうれん草、タケノコ、紅茶、コーヒーなど)の過剰摂取に注意が必要です。シュウ酸はカルシウムと一緒に摂ると腸で結びついて便として排泄されるため、ほうれん草のお浸しにちりめんじゃこをかけるなど、食べ合わせを工夫することが予防につながります。
Q5:お口の健康状態は、腎臓や尿の異常と関係がありますか?
A5:はい、深く関係しています。例えば、尿潜血の原因となる「IgA腎症」という腎炎は、扁桃炎や重度の歯周病など、お口・のどの慢性的な細菌感染(炎症)が引き金となって発症・悪化することが医学的に分かっています。腎臓を守るためには、お口の炎症をコントロールすることが非常に重要です。
■ おわりに:見逃してはいけないサインとトータルケア

「血尿」と聞くと驚かれるかもしれませんが、健康診断で指摘される尿潜血の多くは顕微鏡レベルの微量なものです。しかし、だからといって「見えないから大丈夫」と放置してよいわけではありません。それは、結石や感染症、あるいは初期のがんが発している切実なサインかもしれないからです。
「内科の検査や数値の管理は少しハードルが高そう……」と思われるかもしれませんが、当院では患者さまが安心して第一歩を踏み出せるよう、以下の「3つの安心サポート」を大切にしています。
当院が大切にしている2つの安心サポート
1.専門医による正確な評価と負担のない超音波検査
当院では、尿検査や血液検査で腎臓の働きを詳しく調べるだけでなく、痛みがなくお体への負担が一切ない「腹部エコー検査(超音波検査)」を実施しております。エコー検査では、腎臓の形や結石の有無、膀胱内の腫瘍(がん)などを視覚的にしっかりと確認できるため、痛みのない血尿の原因を早期に突き止めることが可能です。
2.「内科×歯科」の医科歯科連携によるトータルケア
腎臓の炎症や尿潜血を引き起こす疾患(IgA腎症など)には、「お口の中の細菌(歯周病など)」が深く関わっていることが分かっています。当院は「内科と歯科が併設」のクリニックである最大の強みを生かし、内科でのエコー検査や生活指導による腎臓の保護と並行して、歯科での徹底した歯周病治療を行うことができます。この「医科歯科連携」によって、お口の中の炎症という根本原因を取り除き、全身の臓器を守るトータルケアをご提供いたします。
「結果用紙に+がついていたけれど、どうすればいいか分からない」「痛みはないけれど心配」とお悩みの方は、決して結果をしまったままにせず、JR明石駅南口より徒歩5分の明石やまだ内科歯科クリニックへお気軽にご相談ください。専門医の確かな診断で、皆さまの安心と健康を全力でお守りいたします。