【内視鏡専門医が解説】大腸ポリープの種類と悪性化リスク|がんになるものとならないものの違い

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JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
大腸カメラ検査で「ポリープが見つかりました」とお伝えすると、多くの方は「がんではないか?」「放っておくとどうなるのか?」と強い不安を感じられます。
しかし、大腸にできるポリープがすべて即座に「がん」というわけではありません。ポリープにはいくつかの種類があり、種類によって将来がん化する「悪性化リスク」が大きく異なります。
今回は、大腸ポリープの主な種類と、それぞれの「がん化リスク」について、内視鏡専門医の視点から詳しく解説します。
■ 大腸ポリープの主な種類

大腸ポリープは、病理学的な特徴によって大きく4つに分類されます。大腸カメラ検査では、拡大内視鏡や特殊な光(NBI)を用いてこれらを瞬時に見極め、適切な処置を判断します。
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腺腫(せんしゅ)性ポリープ:【最も注意が必要】
大腸ポリープの大部分を占め、いわゆる「がんの芽」と呼ばれるものです。放置すると数年から10年ほどの歳月をかけてがん化するリスクがあります。
特に大きさが重要で、10mmを超えるとがん化率が15〜50%にまで跳ね上がるとされています。この段階で切除してしまえば、大腸がんを未然に防ぐことが可能です。
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過形成(かけいせい)ポリープ:【悪性化リスクは極めて低い】
粘膜の細胞が少し増殖しただけの良性のポリープです。以前は「がん化しない」と言われてきましたが、最近では一部のタイプ(鋸歯状ポリープに関連するもの)に注意が必要とされることもありますが、基本的には切除せずに経過観察で良いとされるケースがほとんどです。
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鋸歯状(きょしじょう)ポリープ:【中程度のリスク】
組織を顕微鏡で見ると、ノコギリの刃のような「ギザギザ」の形をしているポリープです。腺腫とは異なる経路でがん化することが分かってきており、特に10mmを超える大きなものは切除が推奨されます。
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炎症性ポリープ:【悪性化リスクは低い】
潰瘍性大腸炎などの激しい炎症の後にできるポリープです。ポリープ自体ががんになるリスクは低いですが、背景にある「腸の慢性的な炎症」そのものががんのリスクを高めるため、大元の病気の適切な管理が重要になります。
■ よくあるご質問

Q:ポリープが見つかったら、必ず切除すべきですか?
A: 種類と大きさによります。将来がんになる可能性がある「腺腫」や、一定以上の大きさの「鋸歯状ポリープ」は切除の対象となります。一方で、小さな過形成ポリープなどは、無理に切らずに定期的な観察に留めることもあります。
Q:腺腫性ポリープと言われました。これは「がん」ですか?
A: いいえ、現時点ではがんではありません。あくまで「前がん病変」といって、放置するとがんに成長する可能性を秘めたものです。この段階で摘み取ってしまうことが、究極の大腸がん予防になります。
Q:ポリープ切除に痛みはありますか?その日に終わりますか?
A: 大腸の粘膜には痛みを感じる神経がないため、切除の際に痛みを感じることはありません。当院では、検査中に切除が必要なポリープを発見した場合、その場で切除を行う「日帰り手術」に対応しています。再度下剤を飲んで検査を受け直すという患者様のご負担を減らせるのがメリットです(※ポリープの大きさや数、内服薬の状態によっては後日の処置をご提案する場合もあります)。
■ 正確な診断と「医科歯科連携」の視点

大腸ポリープを正確に判別し、見逃しのない検査を行うためには、経験豊富な専門医の目が不可欠です。当院の「消化器内科」では、1万件以上の検査実績を持つ内視鏡専門医・指導医である院長もしくは、内視鏡専門医かつ炎症性腸疾患(IBD)専門医である副院長が検査を担当いたします。