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膵臓のしこり「クラスⅢa」と診断されたら?明石やまだ内科歯科クリニックが寄り添う”がんのグレーゾーン”


少し前に膵癌に関する記事が目に留まったため、今回は膵癌の精密検査で行われる細胞診に関しての話題になります。

健康診断や人間ドックで、予期せず見つかった膵臓の小さな「しこり」や「囊胞(のうほう)」。精密検査の結果、医師から「クラスⅢa(3a)」と告げられたとき、多くの方が大きな不安に襲われることでしょう。

「がんです」とも「がんではありません」とも断定されない、いわば”がんのグレーゾーン”。これは、患者さんが難しい決断を迫られる始まりでもあります。

今回は、この「クラスⅢa」とは何か、そしてこの”グレーゾーン”とどう向き合い、納得のいく選択をするための心構えと、当院が提供できる専門的なサポートについて解説します。

そもそも「クラスⅢa」とは?細胞診で見る”細胞の顔つき”

細胞診は、採取した細胞の「顔つき」を見て、がん細胞かどうかを判断する検査です。その評価は、以下の5段階に分かれています。

  • クラスⅠ・Ⅱ: 正常、または異常な細胞はあるが良性(がんでない)。
  • クラスⅢ(Ⅲa/Ⅲb): 悪性の疑いがある(グレーゾーン)。
    • Ⅲa 悪性を少し疑う状態。
    • Ⅲb 悪性をかなり疑う状態。
  • クラスⅣ: 悪性の可能性が非常に高い。
  • クラスⅤ: 明確ながん細胞であると断定できる。

つまり、「クラスⅢa」とは、「がんとは断定できないけれど、正常とも言えない。少し悪性を疑う細胞が見られます」という、非常に悩ましい状態なのです。特に、IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)のように、時間をかけてがん化する可能性がある腫瘍の場合、この評価が極めて重要になります。

究極の選択:「経過観察」か「予防的手術」か

「クラスⅢa」の診断を受け、かつ将来がん化する可能性のある腫瘍の場合、治療方針は大きく2つに分かれます。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解することが重要です。

方針  メリット  メリット 
【経過観察】
定期的な精密検査で変化を見守る

● 体への負担が大きい手術を避けられる。

● もし腫瘍ががん化しなければ、手術は不要になる。

● 検査の間にがんが進行するリスクがある。

● 「いつがんになるか」という精神的な不安を抱え続ける可能性がある。

【予防的手術】
がん化する前に腫瘍を切除する

● がん化のリスクを根本から取り除ける。

● 将来への不安が解消される。

膵臓の手術は非常に難しく、体に大きな負担がかかる。

● 膵液漏れや感染症などの合併症リスクがある。

どちらの道にも無視できないリスクが存在するため、患者さんはこの究極の選択に深く悩むことになります。

後悔しない決断をするための3つの心構え

この難しい決断をどう下せばいいのでしょうか。当院では、患者さんがご自身で納得して道を選ぶために、以下の3つの心構えを大切にしています。

 

1.それぞれのリスクを正しく天秤にかける

「経過観察なら安心」「手術すれば万全」ということはありません。経過観察の「悪化を見逃すリスク」と、手術の「手術そのもののリスク」。両方を十分に理解し、ご自身がどちらのリスクなら受け入れられるかを考えることが重要です。

 

2.ご自身の全身状態や生活背景を考慮する

持病や体力、普段飲んでいるお薬、ご自身の価値観やライフプランも、どちらの選択が良いかを判断する大きな材料になります。

 

3.医師と対話し、最後は自分で決める

最も大切なのは、医師から十分な説明を受け、分からないことは何度でも質問し、最終的には「自分自身で決断する」という姿勢です。どちらの道を選んでも、その後の人生を歩むのはご自身です。だからこそ、人任せにせず、納得のいくまで考えて選ぶことが、後悔しないための第一歩となります。私のこれまでの癌治療の経験上、そうして選択された決断は、どういう結果に至ってもその時にできる最善のものであると思っています。

 

明石やまだ内科歯科クリニックができる専門的サポート

検査開始

この難しい局面で、患者さんが納得のいく選択をするために、当院は以下の専門的なサポートを提供しています。

 

1.経験豊富な膵臓専門医による精度の高い診断と対話

当院では1500件以上の超音波内視鏡(EUS)の検査経験をもつ医師が精度の高い診断を行います。その上で、専門的で正確な情報を分かりやすくお伝えし、患者さんがリスクを深く理解できるよう、時間をかけた対話を大切にしています。

 

2.医科歯科連携による全身状態を考慮したトータルケア

当院は、医科と歯科が連携し、患者さんの全身状態を総合的に評価できる体制を整えています。特に手術を選択する際には、持病やお口の状態も重要になります。各科の専門医が連携し、治療の選択に最適な判断材料を提供します。

 

3.安心して相談できる医療体制

大きな医療機関に行く前に、まずは気軽に精密な検査や相談ができるクリニックでありたいと考えています。経験豊富な専門医が、患者さんの不安に寄り添い、納得のいくまで共に考えます。

 

おわりに

経験豊富な医師による専門的な治療

膵臓の「クラスⅢa」という診断は、ご自身の体と人生に深く向き合うための時間とも言えます。焦らず、まずは信頼できる医師ととことん話し合い、ご自身が最も納得できる道を選び取ることが大切です。その主体的な選択こそが、未来を切り拓く力になります。

当院は、専門性の高い医療と患者さんに寄り添う心で、皆様の健康をサポートしてまいります。どんな些細な不安でも、お気軽にご相談ください。

明石やまだ内科歯科クリニック