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【内視鏡専門医が解説】便が黒い(タール便)原因は?消化管出血の危険なサインと対処法

ブログをご覧いただき、ありがとうございます。 JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。

トイレでご自身の便を見たとき、墨汁のように真っ黒でドロドロとした便が出ていて、血の気が引くほど驚かれた経験はありませんか? 実は、このような「黒い便」は、医学用語で「タール便(黒色便)」と呼ばれ、胃や腸などの消化管で出血が起きていることを知らせる非常に重要なサインです。

今回は、黒い便(タール便)が出る原因や、疑われる恐ろしい病気、そして速やかに取るべき対処法について、消化器病専門医・内視鏡専門医の視点で詳しく解説します。

タール便とは何か?なぜ便が黒くなるのか

タール便とは、道路の舗装などに使われるコールタールのように、黒くてドロドロとした粘り気のある便のことです。血液が腐敗したような特有の強い悪臭を伴うことも特徴です。

出血しているのに、便が赤ではなく「黒」になるのには理由があります。 食道、胃、十二指腸といった「上部消化管」で出血が起こると、血液中の鉄分が胃酸や消化酵素の作用を受けて酸化します。この酸化反応によって血液が黒く変色し、長い時間をかけて腸を通って排出されるため、真っ黒な便となるのです。

黒い便(タール便)を引き起こす主な原因疾患

タール便の原因となる疾患には、以下のようなものがあります。放置すると命に関わることもあるため、注意が必要です。

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍

タール便の原因として最も多いのが、胃や十二指腸の潰瘍です。ピロリ菌の感染や、強いストレス、痛み止め(NSAIDs)の副作用などによって胃腸の粘膜が深くえぐられ、そこから出血を起こします。みぞおちの痛みを伴うことが多いですが、無症状で出血だけが起こるケースもあります。

  • 食道がん、胃がん

食道や胃にがん(悪性腫瘍)ができると、腫瘍の表面にあるもろい血管から出血することがあります。がんが進行しているサインの可能性もあるため、絶対に放置してはいけません。

  • 食道静脈瘤の破裂

肝硬変などの肝臓の病気が原因で、食道の血管がコブのように腫れ上がる病気です。これが破裂すると大量出血を起こし、タール便が出たり、血を吐いたり(吐血)する非常に危険な状態に陥ります。

  • マロリー・ワイス症候群

激しい嘔吐を繰り返すことで、食道と胃の境目の粘膜が裂けて出血する病気です。お酒を飲みすぎた後などに起こりやすいのが特徴です。

すぐに受診を!一刻を争う「危険なサイン」

タール便が出たということは、今現在も胃や十二指腸の中で出血が続いている可能性があります。大量に出血すると、血圧が低下してショック状態に陥るなど、緊急の止血処置や入院治療が必要になることもあります。 以下のような症状が伴う場合は、一刻を争う緊急事態です。

  • 真っ黒な便が大量に出た、あるいは何度も出る
  • 血を吐いた(赤い血、またはコーヒーのカスのような黒っぽい血)
  • 立ちくらみ、めまいがしてフラフラする
  • 冷や汗が出る、意識が遠のく

よくあるご質問(Q&A)

Q1:黒い便が1回だけ出たのですが、その後は普通の色に戻りました。様子を見てもいいですか?

A いいえ、たとえ1回だけであっても、消化管からの出血サインである可能性が高いです。自己判断で様子を見ず、できるだけ早めに消化器内科を受診し、胃カメラ検査で出血源がないか確認してください。

Q2:食べ物や薬で便が黒くなることはありますか?

A はい、あります。貧血の薬(鉄剤)を飲んでいる場合や、イカスミ、海苔の佃煮、赤ワインなどを大量に摂取した後にも便が黒くなります。ただし、病気によるタール便は「ドロドロしていて強い悪臭がある」のが特徴です。食事や薬に心当たりがない場合は、迷わず受診してください。

Q3:胃もたれや胃の痛みが全くないのに、胃がんの可能性はあるのでしょうか?

A 胃がんは、初期段階では痛みがなく、自覚症状がほとんどありません。しかし、がんが少しずつ進行して大きくなると、腫瘍からじわじわと出血が起こり、それがタール便として現れることがあります。症状がないからといって油断は禁物です。

Q4:ピロリ菌がいると言われたことがありますが、タール便と関係ありますか?

A 大いに関係があります。ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんの最大の原因であり、それらの病気が出血(タール便)を引き起こします。当院では「H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医」が、検査から除菌治療までしっかりとサポートしています。

Q5:胃腸の病気を防ぐために、食事以外で気をつけられることはありますか?

A 実は「お口のケア」が非常に重要です。歯周病菌などの悪玉菌が唾液と一緒に胃や腸に流れ込むと、全身に微細な炎症を引き起こし、胃腸の疾患リスクを高めることが分かっています。毎日の歯磨きと定期的な歯科検診が、胃腸を守る第一歩になります。

【当院ならでは】内科と歯科のトータルケアで健康を守る

当院は、兵庫県でも珍しい「内科と歯科を併設しているクリニック」です。 胃カメラ検査で胃や食道の病気を早期発見・治療するだけでなく、歯科検診でお口の細菌をコントロールすることで、全身の健康を入り口からお守りする「医科歯科連携」のサポートを提供しています。

黒い便が出たら、「そのうち治るだろう」という自己判断は大変危険です。 当院では、患者様への負担をできる限り抑えた、鎮静剤使用による「ウトウトしている間に終わる苦痛の少ない胃カメラ検査」を実施しております。1万件以上の経験を持つ内視鏡専門医が丁寧に検査を行いますので、「便の色がおかしい」「胃の調子が悪い」など、少しでも気になる症状があれば、手遅れになる前に明石やまだ内科歯科クリニックまでご相談ください。

 

明石やまだ内科歯科クリニック