超音波内視鏡(EUS)とは:高精度な診断を可能にする「腹部のスクリーニング検査」

超音波内視鏡(EUS)による高精度な消化器がん検診
超音波内視鏡(EUS: Endoscopic Ultrasonography)は、内視鏡の先端に超音波装置を搭載した、画期的な診断ツールです。これは単なる「胃カメラ」ではなく、体の内側から超音波を当てることで、通常の画像検査では不鮮明になりがちな腹部深部の臓器を、驚くほど鮮明に映し出すことができます。
体外から行う腹部エコー検査は、胃や腸の空気、腹壁の脂肪、骨などが超音波の妨げとなり、どうしても見えにくい領域が生じます。一方、EUSは食道や胃、十二指腸の中から、目的の臓器にわずか数ミリの距離まで近づいて観察が可能です。この特性により、CTやMRIでも指摘が困難な5mm程度の小さな膵がんや、膵管・胆管のわずかな変化を捉えることができ、病気の早期発見・早期治療に大きく貢献します。
当院では、患者さんの状態や病変の部位に応じて、挿入しやすい細径プローブや、より広範囲を観察できるコンベックス型プローブを使い分けることで、精密な診断を可能にしています。このEUSは、クリニックで導入している施設は全国でもまだ極少数で、明石市ののクリニックでは当院のみとなります。
EUSで何がわかる?:診断から治療方針の決定まで

EUSは、消化器系臓器の病変に対して、以下のような多角的な情報を提供します。
質の高い「存在診断」
EUSは、病変の有無や位置を正確に特定する能力に優れています。
- ・膵臓がん: CTやMRIでは見落とされやすい、微小な膵がんや、腫瘍がないにもかかわらず発生する膵管の拡張・狭窄といったごく初期の兆候まで捉えることができます。EUSはCTやMRIでも描出困難な10mm前後の腫瘍の検出も可能です。
- ・粘膜下腫瘍: 消化管の内視鏡では表面の隆起としてしか見えない腫瘍が、良性か悪性か、どこまで深く浸潤しているか(深達度)を正確に判断します。
EUS検査をご検討の方へ

【検査の安全性と日帰りでの対応】
EUS検査は、点滴から鎮静剤を注射して眠った状態で行います。また、喉に麻酔を施すことで、検査中の不快感をほとんど感じることなく受けられます。
- ・EUS(観察のみ): 日帰りで実施可能で、保険適用時の費用は約6,000円〜7,000円です。膵癌の腫瘍マーカーとEUSを組み合わせた膵ドックも施行しています。
もし、高度な処置や入院が必要な病変が発見された場合、あるいは合併症のリスクがある場合には、連携する高次医療機関へのご紹介体制を整えています。
【EUS検査をおすすめする方】
以下に該当される方は、ご自身が自覚していなくても膵がんのリスクが高いとされています。ご心配な方は、ぜひ一度ご相談ください。
- ・糖尿病が最近発症、または急に悪化した方。
- ・膵嚢胞や膵管の拡張を指摘されたことがある方。
- ・血縁者に膵がんの患者さんがいる方(膵疾患の家族歴がある方)。
- ・腫瘍マーカー(CEAやCA19-9など)が高い方。
- ・慢性膵炎と診断されている方。
- ・肥満、喫煙、多量の飲酒の習慣がある方。
【当院の実績と体制】

当院では、これまで1500件以上のEUSを施行してきた経験豊富な膵臓専門医が検査を担当します。施行医は日本膵臓学会認定指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医の資格を有しています。
ご自身の健康に不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。