【要注意】長引く咳は「マイコプラズマ肺炎」かも?
大人にも急増中の感染症と自宅での対処法

近年、子どもだけでなく成人にも増加傾向にある「マイコプラズマ肺炎」をご存知でしょうか。普通の風邪と間違えやすく、適切な治療が遅れると重症化のリスクもあるため、正しい知識を持つことが大切です。
今回は、マイコプラズマ肺炎の特徴、感染経路、そしてご自宅でできる対処法について解説します。
- マイコプラズマ肺炎とは? 特徴的な症状と風邪との違い
原因と感染しやすい人

マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)」という特殊な細菌による呼吸器感染症で、「非定型肺炎」の一つとして知られています。
例年、患者の約80%は14歳以下の子どもですが、近年は成人の感染例も増加傾向にあります。
一年中見られますが、特に晩秋から冬にかけて患者数が増加する傾向があります。
大人のマイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は「子どもの病気」というイメージが強いかもしれませんが、20代から40代の働き盛り世代を含む成人が感染することも珍しくありません。
大人が感染した場合、発熱や倦怠感といった全身症状が子どもよりもはっきりと出やすい傾向があります。しかし、症状の出始めは風邪やインフルエンザと区別がつきにくいため、診断が遅れがちになることも少なくありません。
最大の特徴である「痰の絡まない乾いた咳」が解熱後も1ヶ月近く続くこともあり、体力の消耗や日常生活・仕事への支障が大きくなるケースも見られます。
潜伏期間と症状の経過
マイコプラズマ肺炎の潜伏期間は2~3週間と比較的長いのが特徴です。
- 初期症状:微熱程度の発熱、倦怠感、頭痛、のどの痛みなど、風邪と非常によく似た症状が現れます。幼児では鼻水や鼻づまりが出ることもあります。
- 特徴的な咳:初期症状が数日で落ち着くのと入れ替わるように、3~5日ほど経ってから咳が出始めることが多いです。この咳は痰が絡まない乾いた咳で、解熱後も1週間以上、長い場合は3~4週間にわたって長引くのが最大の特徴です。特に夜中から明け方にかけて激しく咳込み、寝苦しくなることがあります。
- 重症化リスク:多くの方は気管支炎で済みますが、一部で肺炎に至ったり、中耳炎を合併したりすることがあります。まれに無菌性髄膜炎、心筋炎、脳炎といった重篤な合併症を引き起こすリスクもあるため、長引く咳は放置せずに受診することが大切です。
- 感染経路と家庭内で気を付けるべき予防策
マイコプラズマ肺炎の感染力はそれほど強くありませんが、濃厚接触により感染が広がります。
主な感染経路

- 飛沫感染:感染者の咳やくしゃみのしぶきを吸い込むこと。
- 接触感染:発症者の唾などの体液に触れたり、体液が付着したタオルやドアノブなどの共有物に触れたりした手で、自分の口や鼻、目を触ることで感染します。
家庭内感染を防ぐためのポイント

感染者がいる場合、家族は濃厚接触者となり感染しやすいです。
- マスクと手洗い:感染者・家族共にマスクを着用し、お世話をする前後に石けんと流水で手洗いをし、うがいをすることが大切です。
- 共有物の分離:感染者と同じタオルや食器を共有しないようにしましょう。
- 分離と換気:熱が下がるまでは、感染者はなるべく別の部屋で過ごし、食事も別にすることが推奨されます。換気が不十分な場所での密接な会話もリスクを高めます。
- 診断・治療と受診のタイミング
診断と検査
マイコプラズマ肺炎の検査には、胸部聴診、血液検査、レントゲン、そして咽頭あるいは鼻咽頭ぬぐい液を使った遺伝子・抗原検査(核酸検出法)などが用いられます。
迅速な診断の重要性
症状が風邪に似ていて自己判断が難しい場合があるため、早期治療のためには専門医の診断が欠かせません。
治療法
マイコプラズマ肺炎と診断された場合、マクロライド系などの抗菌薬で治療します。
- 注意点:マイコプラズマは細胞壁を持たない特殊な細菌のため、一般的なペニシリン系抗菌薬は無効です。
- 服薬遵守:処方された抗菌薬は、確実に菌を排除するために、医師の指示に従って最後まで飲み切ることが大切です。
- 耐性菌:マクロライド系抗菌薬が効かない「耐性菌」に感染している場合は、別の抗菌薬を用いて治療します。
自宅での症状緩和法
咳がつらい時の対処法として、自宅では以下の工夫が有効です。
- 水分をたっぷり摂り、安静に過ごす。
- 痰が出たら積極的に吐き出す。
- 夜間、咳がつらくて寝苦しい時は、うつぶせで寝ると比較的楽になります。
- 乾燥で症状が悪化することがあるため、マスクを着用し、加湿を心がけましょう。
- 受診の目安とクリニックでの対応
医療機関を受診すべきタイミング

「咳はありふれた症状」だと放っておくと、重症化し肺機能の低下につながる可能性があります。以下の症状が見られる場合は、迷わず当院にご相談ください。
- 咳が1週間以上続き、特に夜間に悪化する場合。
- 高熱や強い倦怠感が続く場合。
明石やまだ内科歯科クリニックの発熱外来

当院は、内科・消化器内科として、急な発熱を伴う感染症にも迅速に対応できる体制を整えています。
- 発熱外来の併設:当院では、一般の患者さまと動線を分けた発熱外来を設けており、感染対策を徹底しています。
- 高精度な検査:当院は、富士フイルム(FUJIFILM)社のドライケムAG2という検査機器を導入しています。この機器は、新型コロナウイルス(COVID-19)、インフルエンザウイルスと並んで、肺炎マイコプラズマなど複数の抗原に対応しています。
- 早期診断が可能:従来の迅速診断キットではウイルス量が少ない発症初期は陰性判定されることがありましたが、当院の機器では発症初期でも高い検出性能を発揮し、より精度の高い診断が可能です。
- 受診方法:発熱外来は予約なしでも受診可能ですが、予約された患者さまが優先となりますので、まずはお電話(078-969-6565)にてご相談ください。