「検査で異常なし」でもつらい胃腸の不調に。消化器専門医があえて漢方薬を処方する理由

こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
「胃がもたれるし、なんとなく痛い」
「お腹が張って苦しい」
そう感じて内視鏡検査を受けたけれど、結果は「きれいですね。異常ありません」と言われてしまった…。
そんな経験はありませんか?
「異常がないのは安心だけど、このつらさはどうすればいいの?」と途方に暮れてしまう患者様は少なくありません。
実は、こうした「検査に写らない不調」こそ、漢方薬(東洋医学)が最も得意とする分野なのです。
今回は、消化器専門医である私が、なぜ日々の診療で「漢方薬」を積極的に取り入れているのか、その理由をお話しします。
1.西洋医学と漢方、それぞれの「得意分野」

私が専門とする西洋医学(内視鏡検査など)は、病気の「原因」を特定し、それをピンポイントで攻撃するのが得意です。
たとえば、胃がんがあれば切除する、ピロリ菌がいれば除菌する、胃潰瘍があれば胃酸を抑える、といった具合です。
しかし、胃腸の不調には「形には異常がないけれど、働き(機能)が弱っている」というケースが多々あります。
これを「機能性ディスペプシア」や「過敏性腸症候群」などと呼びますが、こうした「なんとなくの不調」に対しては、西洋薬だけでカバーしきれないことがあるのです。
そこで出番となるのが「漢方薬」です。
漢方は、病気そのものではなく「その人の体質や状態(証)」を見て治療を行います。
「胃が動いていないなら動かそう」「気が滞っているなら流そう」というように、体全体のバランスを整えることで、不調を改善へと導きます。
2.「心」と「お腹」はつながっている

「嫌なことがあると、お腹が痛くなる」
誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。
胃腸は「第二の脳」とも呼ばれるほど、ストレスや精神状態の影響をダイレクトに受ける臓器です。
漢方には「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があり、体と心はつながっていると考えます。
たとえば、ストレスで胃の調子が悪い方に対して、単に胃薬を出すのではなく、「気の巡りを良くする漢方」を使うことで、喉のつかえやイライラと一緒に胃の痛みがスッと消えることがあります。
このように、メンタル面も含めて丸ごとケアできるのが、漢方の大きな魅力です。
3.消化器内科でよく使う漢方薬の例

当院では、患者様の体質に合わせて様々な漢方を使い分けています。その一例をご紹介します。
六君子湯(りっくんしとう)
「胃がちゃぷちゃぷする」「食欲がない」「疲れやすい」という方に。胃の排出機能を高め、食欲ホルモンを増やす効果が科学的にも証明されている、消化器内科のエース的な漢方です。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
「喉に何かつまっている感じがする(ヒステリー球)」「不安感が強い」という方に。ストレスで滞った気を巡らせることで、喉や食道の違和感を和らげます。
大建中湯(だいけんちゅうとう)
「お腹が冷えて痛い」「ガスがたまって張る」という方に。お腹を温めて腸の動きをサポートします。
まとめ:あなたに合った「オーダーメイド」の治療を

私は消化器の専門医として、まずはしっかり検査を行い、がんや潰瘍などの見逃してはいけない病気がないかを診断します。
その上で、西洋薬が合う方には西洋薬を、漢方が合う方には漢方を、あるいはその両方を組み合わせる「ハイブリッドな治療」をご提案しています。
「漢方は長く飲まないと効かない」と思われがちですが、症状によって即効性があるものもたくさんあります。
「検査で異常なしと言われたけれど、調子が悪い」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたのそのつらさに、違う角度からアプローチする方法がきっとあります。
勿論、消化器疾患以外でも積極的に漢方薬の処方は行っています。気軽にお問合せ下さい。