高齢者に多い「薬剤性便秘」と「弛緩性便秘」—腸の老化対策

皆さま、こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
「お年寄りになると便秘になりやすい」とはよく聞きますが、その理由をご存知ですか?
高齢者の便秘には、加齢による腸機能の低下だけでなく、「飲んでいる薬が原因」のケースが少なくありません。介護に関わる家族の方にもぜひ知っていただきたい内容です。
■ 高齢者に便秘が多い理由「腸の老化」

加齢に伴い、腸の蠕動運動(内容物を先に送り出す動き)が弱まります。これを「弛緩性便秘」と呼び、高齢者の最も多い便秘のタイプです。また、腸内フローラのバランスが変化し、ビフィズス菌などの善玉菌が減少します。水分摂取量の低下(高齢者は口渇を感じにくい)、運動量の低下、腹筋の衰えなども便秘を悪化させます。
■ 「薬剤性便秘」知らずに飲んでいる薬が犯人かも
高齢者が複数の薬を服用していることは珍しくありませんが、いくつかの薬は便秘を引き起こす副作用があります。
便秘を引き起こしやすい代表的な薬
これらの薬を服用中に便秘が悪化した場合は、医師に相談してください。

- ①カルシウム拮抗薬(血圧の薬)
- ②鉄剤(貧血の薬)
- ③抗コリン薬(過活動膀胱・パーキンソン病の薬)
- ④オピオイド系鎮痛剤(モルヒネ等)
- ⑤一部の抗うつ薬・抗精神病薬。
■ 高齢者の便秘、市販の下剤に頼りすぎると危険?

センナ・アロエなどの刺激性下剤は即効性がありますが、長期連用すると「大腸偽メラノーシス(大腸黒皮症)」を招くことがあります。これは腸管神経にダメージを与え、さらに腸の動きが悪くなる悪循環を引き起こします。高齢者には「酸化マグネシウム(浸透圧性下剤)」や「モビコール(ポリエチレングリコール製剤)」が比較的安全とされていますが、腎機能が低下している高齢者では酸化マグネシウムの過剰摂取に注意が必要です。
■ 食事・生活習慣で高齢者の腸を元気に保つ方法

①水分:1日1〜1.5リットルを目安に、こまめに水やお茶を飲む習慣をつけましょう。
②食物繊維:ごぼう・海藻・きのこ・豆類を積極的に。不溶性食物繊維だけでなく、水溶性食物繊維(わかめ・大麦・オクラ等)も重要です。
③体を動かす:10〜20分のウォーキングが腸の蠕動運動を助けます。
④腹部マッサージ:へその周りを「の」の字に優しくマッサージするだけで腸の動きを助けます。
■ おわりに

高齢者の便秘は「年齢のせいだから仕方ない」と見過ごされがちですが、食欲の低下や腹痛を招き、時には腸閉塞といった深刻な事態を引き起こすこともある重要なサインです。また、ご自身では症状をうまくご家族に伝えられず、市販の強い下剤に頼り続けて悪循環に陥っている方も少なくありません。
当院では、単に便秘薬を処方するのではなく、まずは「お薬手帳」を丁寧に確認し、便秘の原因となっているお薬がないかをチェックします。その上で、お身体に負担の少ない腹部エコー検査や、鎮静剤を用いた苦痛の少ない大腸カメラを実施し、大腸がんなどの重大な病気が隠れていないかを確実に診断いたします。処方においては、ご年齢や腎機能などの体質に合わせた、安全で体に優しいお薬を厳選してご提案します。
さらに、高齢者の便秘改善において見落とされがちなのが「お口の機能」です。歯が抜けたままになっていたり、入れ歯が合っていなかったりすると、食べ物が十分に噛み砕かれないまま腸へ送られ、消化不良や便秘をさらに悪化させてしまいます。当院は「内科・歯科併設」という最大の強みを生かし、内科での専門的な便秘治療と並行して、歯科での入れ歯の調整や噛む機能のサポートを行う「医科歯科連携」のトータルケアが可能です。
「市販の下剤が手放せない」「最近お通じのペースが変わってきた」というご本人様はもちろん、ご家族の排便トラブルでお悩みの方も、決して自己判断せず、JR明石駅より徒歩5分の明石やまだ内科歯科クリニックへお気軽にご相談ください。お一人おひとりの生活に寄り添い、スッキリと安心できる毎日を一緒にサポートさせていただきます。