【消化器内視鏡専門医が解説】胃がんが発覚するきっかけは?早期発見のために知っておきたいこと

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JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
日本人に多い病気の一つである「胃がん」。ご自身や身近な方が診断され、「どうして気づけなかったのだろう」と不安に思われる方も少なくありません。 実は、胃がんが発覚するきっかけのほとんどは「自覚症状」ではなく「定期的な検査」です。症状が出てからではすでに進行しているケースが多く、早期発見には正しい知識が欠かせません。
今回は、胃がんが発覚するよくあるきっかけや、最大の原因であるピロリ菌との関係、そして早期発見の要となる胃カメラ検査の重要性について、消化器内視鏡専門医・H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医の視点から詳しく解説します。
■ 胃がんは「無症状」のことが多いという落とし穴

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜から発生します。初期の段階では、痛みや違和感などの症状がほとんど出ないのが大きな特徴です。
胃もたれや胸やけ、みぞおちの痛みといった症状を感じることもありますが、これらは胃炎や胃潰瘍などでもよく起こるため、「ただの胃もたれだろう」と市販薬で済ませて見過ごされてしまうことが少なくありません。 吐血や黒い便(タール便)、急激な体重減少、食べ物がつかえる感じなどの明確な症状が現れる頃には、すでにがんが深く進行し、他の臓器へ転移している恐れがあります。「症状がないから健康」という思い込みが、胃がんにおいて最も危険な落とし穴なのです。
■ 胃がんが発覚する「きっかけ」ランキング

では、実際に胃がんが見つかった方は、何がきっかけだったのでしょうか。日常の診療現場でよく見られる発覚のきっかけをご紹介します。
1位:健康診断・人間ドック(胃カメラ)
最も多く、そして最も理想的な発見のきっかけです。自覚症状がまったくない状態で定期検診を受け、早期の胃がんが偶然見つかるケースです。特にバリウム検査よりも、胃の中を直接カラーで観察できる胃カメラ(内視鏡)の方が、数ミリ単位の早期がんや、がんになる前の粘膜の変化を正確に発見しやすくなります。
2位:便潜血検査(検便)が陽性になったことによる精密検査
大腸がん検診として行われる便潜血検査で引っかかり、精密検査として「大腸カメラと一緒に胃カメラも受けた」ところ、胃がんが見つかったというケースです。当院では、患者様のご負担を減らすために「胃と大腸の同日内視鏡検査」に対応しているため、こうしたきっかけで両方の病変を早期に発見できることがよくあります。ただ、胃で出血した血液は腸内で分解されやすいため、胃癌からの出血は便潜血検査でひっかかることは少ないとされています。便潜血は基本的に大腸の検査であるため、胃カメラの適応であるか否かは医師に相談しましょう。
3位:慢性的な胃の不調で医療機関を受診
「最近ずっと胃の調子が悪い」「市販の胃薬を飲んでも胃痛が治らない」といった慢性的な不調が気になり、消化器内科を受診して胃カメラ検査を受けた結果、がんが発覚するケースです。
■ 胃がんの最大の原因「ピロリ菌」との深い関係

胃がんを語る上で欠かせないのが「ヘリコバクター・ピロリ菌」の存在です。実は、胃がんの原因の約99%はピロリ菌の感染に関連していると言われています。
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜に慢性的な炎症が起こります。この状態が何十年も続くと、胃の粘膜が萎縮し、やがてがん細胞が発生しやすい環境へと変わってしまいます。 しかし、検査でピロリ菌の有無を調べ、もし見つかってもお薬を服用する「除菌治療」を行うことで、将来の胃がんリスクを大幅に下げることが医学的に証明されています。
■ 早期発見なら「胃カメラ」で完治を目指せる

胃がんは恐ろしい病気ですが、決して治らない病気ではありません。早期の段階(ステージ1)で発見できれば、開腹手術をすることなく、胃カメラを使った内視鏡的切除(ESD)でがんだけを綺麗に剥ぎ取り、胃を温存して完治させることが可能なケースが多いのです。早期胃がんの5年生存率は95%以上と非常に高い数字を示しています。
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:健康診断では、バリウム検査と胃カメラのどちらを選ぶべきですか?
A: 断然「胃カメラ」をおすすめします。バリウムは胃の形を見る影絵のような検査のため、平坦な早期がんや粘膜のわずかな色調変化を見つけるのは困難です。直接胃の粘膜を観察でき、疑わしい組織をその場で採取(生検)できる胃カメラの方が、早期発見にははるかに有効です。
Q2:ピロリ菌の検査はどのように行うのですか?
A: 血液検査や呼気検査など複数の方法がありますが、当院ではまず「胃カメラ」で胃粘膜の萎縮度合い(ピロリ菌に感染しているサイン)を直接確認し、感染が疑われた場合に血液検査などで確定診断を行うことを推奨しています。胃がんが隠れていないかを同時に確認できるため、最も安全で確実です。
Q3:胃カメラは苦しいイメージがあり、なかなか踏み出せません。
A: 当院では、患者様の苦痛を最小限に抑えるため、ご希望に応じて「鎮静剤」を使用し、ウトウトと眠っているようなリラックスした状態で検査を行っています。また、嘔吐反射が強い方には、鼻から入れる極細のカメラ(経鼻内視鏡)を選択することも可能です。
Q4:ピロリ菌を除菌すれば、もう胃がんにはなりませんか?
A: 残念ながら、リスクはゼロにはなりません。除菌をすることで新しいがんが発生する確率は大幅に減りますが、過去にピロリ菌によって傷ついた粘膜からがんが発生することがあるため、除菌成功後も年1回の定期的な胃カメラ検査が必須です。
Q5:胃がん予防のために、食事や生活で気をつけることはありますか?
A: 塩分の摂りすぎ(漬物やラーメンの汁など)や過度な飲酒、喫煙は胃の粘膜を荒らし、胃がんのリスクを高めるため控えてください。また、実は「お口のケア」も非常に重要です。ピロリ菌は口から感染すると考えられており、お口の衛生状態を保つことが胃腸を守る第一歩になります。
■ 【当院ならでは】内科と歯科のトータルケアで健康を守る

当院は、兵庫県でも珍しい「内科と歯科を併設しているクリニック」です。 「日本ヘリコバクター学会認定医」による専門的なピロリ菌除菌や胃カメラ検査でお腹の中の病気を防ぎつつ、歯科診療でお口の中の衛生環境を整える「医科歯科連携」のサポートで、皆様の健康を入り口から出口まで総合的にお守りします。
胃がんから命を守るための唯一かつ最大の予防策は、症状がないうちに「定期的な胃カメラ検査」を受けることです。特に40歳を過ぎた方や、ご家族に胃がん経験者がいる方は、年に1回の検査を強くおすすめします。少しでも胃の不調が気になる方や検診をご希望の方は、どうぞお気軽に明石やまだ内科歯科クリニックまでご相談ください。