ブログ

「腸活」が裏目に?その不調、知られざる「小腸の病気 SIBO」かもしれません

健康意識の高い方にとって、「腸活」はもはや常識の一つと言えるでしょう。ところが、いくら腸に優しいとされる食品(りんごやヨーグルト、納豆、発酵食品など)を摂取しても、体調が良くならないどころか、かえって腹部膨満や全身の不調に悩まされるケースがあります。

もしそのような症状に心当たりがあるなら、それはSIBO(シーボ・小腸内細菌異常増殖)という、知られざる腸の病気のせいかもしれません。

SIBOとは?健康食品が逆効果になるメカニズム

SIBOとは、通常は大腸に多く存在する細菌が、小腸内で異常に増殖してしまう疾患です。小腸内に増殖した細菌が、私たちが吸収しきれなかった糖質やタンパク質を発酵させることで、多量の水素ガス、メタンガス、硫化水素を発生させます。

これにより、以下のような様々な症状が引き起こされます。

・消化器症状: 腹部膨満、腹痛、下痢や便秘を繰り返す、おならやげっぷが頻繁に出る。

・全身症状: 肌荒れ、湿疹、ニキビ、口臭、手足の冷え、頭痛、肩凝り、慢性的な疲労感、集中力の低下。

・精神的影響: 幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの約90%は小腸で作られるため、小腸の状態が悪化すると、脳腸相関を介して、気分の落ち込み、不安感、不眠、動悸やめまいなどの自律神経の乱れが生じることがあります。

つまり、SIBOを発症していると、体調だけでなく、精神状態にも悪影響が及んでしまうのです。

診断の壁と複雑な原因

SIBOは2024年にWHOの国際疾病分類に正式に登録された疾患ですが、日本ではまだ認知度が低く、診断できる医療機関が限られています。長引く不調で一般の消化器内科を受診し、胃カメラや大腸内視鏡検査を受けても「特に異常なし」と診断されてしまうケースも少なくありません。

SIBOは「生活習慣の集大成」とも呼ばれており、その原因は複雑です。

不適切な食生活やストレス、全身疾患による小腸の動きの鈍化に加え、特に注意すべきは胃酸の減少です。胃酸が減少すると、小腸に侵入する細菌の抑制力が低下し、増殖を許してしまいます。また、ピロリ菌感染や抗生物質の乱用なども複合的な要因となります。

改善への鍵は「FODMAP食」と全身管理

SIBOは再発率が高いことが知られていますが、根本的な解決のためには、抗生剤による除菌治療と並行して食生活の見直しが非常に重要です。

体調を悪化させる要因は高FODMAP食品(小腸で吸収されにくい発酵性糖質)です。納豆、牛乳、サツマイモなどがこれに該当し、一定期間これらを控える低FODMAP食が推奨されます。

食事療法の原則としては、消費量が多い小麦製品を避ける(グルテンフリー)こと、乳製品を避ける(カゼインフリー)ことが挙げられます。実際に、漢方治療で改善した患者様は、米飯を主食とする昔ながらの日本食に切り替え、菓子パンなどの糖質を控えたことで体調が変化したと報告されています。

また、食事の際には、胃酸の分泌を促す梅干や酢の物を食べる工夫をし、よく噛んで早食いを避けることも大切です。

消化器内科と歯科の連携によるトータルケア

SIBOの治療では、食事内容の精査や、胃酸低下、副腎疲労、SIFO(小腸内真菌異常増殖)といった併発疾患まで、患者様に特化した個別の治療が必要です。さらに、口腔内にも多くの細菌が存在するため、歯磨きや口をゆすぐなどの口腔ケアもSIBO/SIFO対策として重要だと指摘されています。

明石やまだ内科歯科クリニックでは、長引くお腹の不調や全身の健康を、専門的な視点からトータルでサポートします。

  1. 消化器内科における精密検査

当院の消化器内科では、消化器病専門医・指導医や日本ヘリコバクター学会 H.Pylori感染症認定医の資格を持つ経験豊富な医師が診療を担当します。

・胃カメラ(胃内視鏡検査): SIBOの原因となりうる胃酸の低下やピロリ菌感染症の診断に有効です。当院では、これまで1万件以上の検査経験を持つ専門医が、鎮静剤を用いて「楽で苦痛の少ない検査」を心がけています。

・高度な専門検査: 胃カメラや大腸カメラに加え、クリニックでは導入が限られる超音波内視鏡(EUS)を導入しています。これにより、膵臓や胆道など、通常の内視鏡では確認が難しい臓器の精密検査も可能です。

・全身疾患への対応: SIBOと関連する糖尿病や、炎症性腸疾患(IBD)に対しても専門医が在籍し、適切な診断と治療を提供します。

  1. 口腔ケアと咀嚼機能の回復

当院の理念は「全身の健康を見据えた医科と歯科の連携医療」を進めることです。お口の健康は、消化の第一歩であり、全身の健康につながっています。

口腔管理・衛生指導: SIBO/SIFOの対策として重要な口腔管理・衛生指導を、歯科衛生士によるアフターサポート(メンテナンス)を通じて長期的に行い、病気の再発防止を目指します。

咀嚼機能の回復: 食事療法で「よく噛んで食べる」ことが指導される中、当院の歯科では、インプラント治療などを通じて天然歯に近い噛み心地を実現し、「物がよく噛めるようになるので、全身や周囲の歯に良い影響を与える場合がある」と考えます。

おわりに

腹部膨満や全身的な不調が続く方は、「知られざる腸の病気 SIBO」や、その他の消化器疾患の可能性を疑ってみる必要があります。

明石やまだ内科歯科クリニックは、JR明石駅南口より徒歩5分にあり、内科と歯科の両面から皆さまの健康をサポートします。長引くお腹の不調やご自身の健康状態に不安がある方は、まずはお気軽にご相談ください。

明石やまだ内科歯科クリニック