糖尿病は「生活習慣病の入り口」:健康な未来のために知っておくべきこと

タレントの井手らっきょさんが、ご自身の糖尿病発症の経験を公表されました。報道によると、コロナ禍で運動量が減っていた時期、別の病気(肺炎)の血液検査で偶然、HbA1cが11.4%という高い数値であることが判明。「3週間の入院」を告げられたそうです。
しかし、井手さんはスケジュールが許さず、「次の診察までに自分で頑張る」と医師に申し出ました。毎日3本以上飲んでいた甘いカフェオレを一切やめ、ジムでの運動を再開するなど生活習慣を徹底的に改善した結果、3カ月後にはHbA1cが7.1%まで下がり、医師も驚くほどの回復ぶりで入院を回避できたといいます。
このエピソードは、糖尿病がいかに自覚症状のないまま進行するか、そして生活習慣(特に食生活と運動)の改善がいかに重要であるかを明確に示しています。

「生活習慣病」は、日々の食習慣や運動習慣、喫煙、飲酒などが深く関わる病気の総称です。その中でも、糖尿病は「高血糖」という一つの異常にとどまらず、他の生活習慣病を呼び寄せ、全身の血管を蝕んでいく「入り口」となるため、特に注意が必要です。
なぜ糖尿病(高血糖)は危険なのか?

糖尿病の最も恐ろしい点は、井手さんのように深刻な数値になるまで自覚症状がほとんどないことです。しかし、症状がない間も、血液中に溢れた糖は全身の血管を確実に傷つけています。
-
糖尿病特有の合併症(細い血管がやられる)

高血糖が続くと、まずは目や腎臓といった細い血管がダメージを受けます。
- 網膜症(目): 日本の失明原因の上位を占めます。
- 腎症(腎臓): 進行すると人工透析が必要になります。
- 神経障害(神経): 手足のしびれや、足の壊疽(えそ)の原因となります。
-
動脈硬化の強力な促進(太い血管がやられる)

高血糖は、太い血管が硬く、厚くなる「動脈硬化」を強力に促進します。これにより、脳梗塞、脳出血、心筋梗梗塞といった、命に関わる重篤な病気を引き起こすリスクが飛躍的に高まります。
注目すべき「メタボリックシンドローム」

近年、特に注目されているのがメタボリックシンドローム(通称:メタボ)です。これは、内臓脂肪の蓄積に加え、高血糖、高血圧、脂質異常の3つのうち2つ以上を併せ持った状態を指します。
この「高血糖」こそが、糖尿病への入り口です。
メタボの状態では、それぞれの異常値が軽度であっても、高血糖・高血圧・脂質異常が組み合わさることで、動脈硬化は爆発的に加速します。糖尿病と診断される前から、すでに危険な状態は始まっているのです。
- 必須条件: ウエストサイズ(腹囲)が男性85cm以上、女性90cm以上
- 追加項目(2項目以上で該当):
- 高血糖:空腹時血糖値110mg/dL以上
- 高血圧:収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上
- 脂質異常:中性脂肪150mg/dL以上、またはHDL(善玉)コレステロール40mg/dL未満
健康な未来のために、今できること

生活習慣病は、決して他人事ではありません。井手さんのように、健康診断や別の病気の検査で初めて異常を指摘される方も大勢います。
明石やまだ内科歯科クリニックでは、糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者様やその予備群とされる方を対象に、早期の予防・治療をサポートしています。糖尿病専門医の医師も在籍しており、専門的な診察を受けることが可能です。健康診断の結果で血糖値やHbA1cの異常を指摘された方は、自覚症状がなくても放置せず、どうぞお気軽にご相談ください。