「うちの家系はがんが多いから…」は迷信じゃない?20代から知っておきたい遺伝性大腸がんの話

こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
「うちはがん家系だから心配」
「親戚に大腸がんの人が多い気がする」
患者様から、このようなご相談をいただくことがあります。
「がん家系」という言葉は昔からよく使われますが、実は近年の医学でも、大腸がんの発生には「遺伝」が深く関わっていることがわかってきています。
今回は、若い世代の方にこそ知っていただきたい「遺伝性大腸がん」のサインと、命を守るための対策についてお話しします。
1.大腸がんの「35%」に遺伝が関係している

日本で最もかかる人が多い「大腸がん」。
一般的に、がんは生活習慣(食事や運動不足、喫煙など)や加齢が原因で起こる「散発性」のものが大半です。
しかし、最新の研究では、大腸がん全体の約35%に遺伝的な要素が関わっていると言われています。
- 遺伝性大腸がん(約5%): 生まれつき、がんになりやすい遺伝子の異常を持っている。
- 家族性大腸がん(約30%): 遺伝子の異常は特定できないが、血縁者にがんが多く、遺伝や生活環境の共有が影響していると考えられる。
つまり、3人に1人以上は、何らかの形で「家族や血縁」の要素が背景にあるのです。
2.「若いから大丈夫」が通用しない理由

通常、大腸がんは50歳を過ぎてからリスクが高まります。
しかし、遺伝的な要因がある場合、20代~40代という若さで発症するのが最大の特徴です。
ここで怖いのが、「まさか自分ががんになるはずがない」という油断です。
若い方は自治体のがん検診の対象外であることが多く、またご自身も警戒していないため、気づいた時にはすでに進行がんや転移した状態で見つかるケースが少なくありません。
3.要チェック!遺伝性大腸がんの「4つのサイン」

「自分は遺伝性のリスクがあるのかな?」
そう思われた方は、ご自身やご家族に以下の特徴がないかチェックしてみてください。
- 50歳以下(特に20代・30代)で大腸がんになった家族がいる
- 血縁者の中に、3人以上大腸がんにかかった人がいる
- 大腸の中に、がんが複数できたことがある(またはポリープが多発している)
- 大腸だけでなく、胃がん・子宮内膜がん・卵巣がんなどを発症した家族が多い
特に、大腸にポリープが100個以上できる「家族性大腸ポリポーシス」や、大腸以外のがんも発症しやすい「リンチ症候群」といった病気は、遺伝との関連が非常に強いことがわかっています。
4.遺伝リスクがある場合の「正解」は?

もし上記のサインに当てはまったとしても、過度に怖がる必要はありません。
「リスクを知っている」ということは、逆に言えば「最強の予防ができる」ということです。
対策はたった一つ。
症状がなくても、若いうちから「大腸カメラ(内視鏡検査)」を受けること。これに尽きます。
一般的な検診は40歳から始まりますが、遺伝的リスクがある方は20代・30代からの定期検査が推奨されています。
遺伝性のがんであっても、早期発見ができれば、内視鏡治療などで完治できる可能性は十分にあります。
まとめ:不安な方は、一度ご相談ください

「大腸カメラは痛そうで怖い」
「まだ若いのに検査を受けるのは大袈裟かな?」
そう迷われている方も、まずは当院にご相談ください。
当院では、鎮静剤を使って眠っているような状態で受けられる「苦痛の少ない大腸カメラ」を行っています。検査時に切除が必要なポリープを認めた場合はそのまま内視鏡下に切除を行うことも可能です(内服薬やポリープの形態, sizeによって判断)。
また、遺伝的な不安がある場合には、専門医の視点から適切な検査のタイミングや頻度についてアドバイスさせていただきます。
「家系だから仕方ない」と諦めるのではなく、「家系だからこそ、人一倍早くケアをする」。
その意識が、あなたとご家族の未来を守ります。