【医師が解説】健康診断の数値が不安な方へ。糖尿病の「血液検査」と診断基準をわかりやすく解説

皆さま、こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断や人間ドックの結果を受け取った際、「血糖値」や「HbA1c」の項目を見てドキッとしたことはありませんか? 糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの働きが不足し、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。初期段階では自覚症状がほとんど出ないため、血液検査で初めて指摘されて気付く方も少なくありません。
今回は、糖尿病の診断において重要な血液検査の項目や数値の見方、そして「予備軍」と言われた時の向き合い方について、内科医の視点から解説します。
■ 糖尿病診断のカギとなる「血糖値」と「HbA1c」

糖尿病の診断や病状の把握において、中心となるのが「血糖値」と「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」という2つの項目です。
・血糖値:採血したその瞬間の血液中のブドウ糖濃度を示します。空腹時や食後など、測定するタイミングによって数値が変わるのが特徴です。
・HbA1c:過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖状態を反映する指標です。その時々の食事や運動の影響を受けにくいため、ふだんの血糖値が高めかどうかをつかむために非常に役立ちます。
健康な状態であれば、膵臓から出るインスリンが働き、血糖は一定の範囲に保たれています。しかし、このバランスが崩れて高血糖が慢性化すると糖尿病と診断されます。
■ 糖尿病の診断基準とは?

糖尿病の診断は、血糖値とHbA1cの数値を組み合わせて総合的に判断されます。診断の目安となる主な数値は以下の通りです。
・空腹時血糖:126mg/dL以上
・75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値:200mg/dL以上
・随時血糖(食事の時間に関係なく測定):200mg/dL以上
・HbA1c:6.5%以上
これらの条件に当てはまる場合、あるいは糖尿病型と判断される症状がある場合は糖尿病と診断されます。一度の検査だけでは判断しきれない場合、日を改めて再検査を行うこともあります。
■ 「予備軍」といわれたらどうすべき?

健康診断で「基準値を超えていないが、少し高め」という結果が出ることもあります。特に、空腹時血糖が110〜125mg/dLや、HbA1cがやや高めの水準は「境界型(予備軍)」に当たることがあります。
この段階ではまだ糖尿病とは診断されませんが、将来的に発症するリスクが高い状態です。この時期に生活習慣を見直すことが、発症や重症化を防ぐための最も重要なステップとなります。
具体的には、以下の点から毎日の生活を少しずつ改善していきましょう。
・食べ過ぎや、甘い飲み物、間食を控える
・夜遅い食事を避ける
・エレベーターではなく階段を使う、近い距離は歩くなど、日常的な身体活動を増やす
・減量が必要な場合は、現在の体重から5%減らすことを目標にする
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:病院に行くと、糖尿病などの検査結果はすぐに分かりますか?
A:はい、分かります。当院には迅速血液検査機が常設されており、現在の血糖値や過去1〜2ヶ月の血糖の平均を示す「HbA1c」などの結果が最短15分程度で判明します。その日のうちに詳しい状態をご説明し、治療方針を立てることができます。
Q2:糖尿病予備軍と言われましたが、治るのでしょうか?
A:「予備軍」の段階であれば、食事療法や適度な運動など、生活習慣を見直すことで正常な数値に戻ることは十分に可能です。当院では糖尿病専門医による外来も実施しており、患者様一人ひとりの体質に合わせた専門的なアドバイスを行っております。
Q3:血糖値を急上昇させないための食事のコツはありますか?
A:当院では「カーボラスト(炭水化物を最後に食べる)」を推奨しています。食事の最初に野菜や海藻、次にお肉やお魚を食べ、最後にご飯やパンなどの糖質を食べることで、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。
Q4:健康診断で「血糖値が少し高い」と言われましたが、自覚症状がありません。放置しても大丈夫ですか?
A:放置は大変危険です。糖尿病は自覚症状がないまま血管にダメージを与え、進行すると失明や人工透析が必要になる重大な合併症(糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害)を引き起こす恐れがあります。症状がなくても、指摘を受けた段階で早めに受診してください。
Q5:糖尿病の予防に、歯科でのケアが関係あるというのは本当ですか?
A:はい、本当です。歯周病菌によるお口の中の炎症は、インスリンの働きを妨げて血糖値を上げてしまうことが医学的に分かっています。当院は「内科・歯科併設クリニック」ですので、内科での血糖値管理と同時に、歯科で歯周病治療やお口の環境を整える「医科歯科連携」によるトータルサポートが可能です。
■ おわりに:早期発見が全身の健康を守る

糖尿病を放置すると、網膜症、腎症、神経障害といった合併症だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化に関連する重大な病気につながる可能性があります。
健康診断の結果を「症状がないから大丈夫」と放置せず、今の状態を正しく確認することが、将来の健康を守る第一歩です。 当院では、内科において専門的な検査と丁寧な生活習慣指導を行っております。また、糖尿病は歯周病などのお口のトラブルと密接に関連しているため、併設する歯科でのトータルケアも可能です。
「数値が少し気になる」「自分は何を気を付ければいいの?」とお悩みの方は、どうぞお気軽に明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。早い段階からのケアで、健康な毎日を一緒に守っていきましょう。