【医師が解説】「血圧」ってそもそも何の数値?放置すると怖い高血圧のメカニズム

皆さま、こんにちは。
JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
健康診断で「血圧が高めですね」と言われたことはありませんか? 自覚症状がないと「まあ大丈夫かな」と軽く考えがちですが、高血圧は全身の血管に大きな負担をかける「サイレントキラー」とも呼ばれる状態です。
今回は、そもそも「血圧」とは何を指す数値なのか、なぜ高いと危険なのか、そしてどう向き合うべきかについて、内科医の視点から解説します。
■ 「血圧」ってそもそも何の数値?

「血圧」とは、心臓(ポンプ)が全身に血液を送り出すときに、血管(ホース)の内側に生じる圧力のことです。
この数値は、心臓が収縮して血液を送り出した瞬間の「上(収縮期血圧)」と、拡張して血液を溜め込んでいる間の「下(拡張期血圧)」で表されます。
血圧の高さは、主に「心臓が送り出す血液の量」と「血管の硬さや細さ(抵抗)」の掛け合わせで決まります。血管が硬くなったり、細くなったりすると、血液は流れにくくなり、血圧は上昇してしまいます。
■ 1回の測定ですべては判断できない

血圧は話をしている最中や、少し動いた後、さらにはトイレでいきむだけでも大きく変動します。病院での測定と家庭での測定で差が出ることも珍しくありません。
そのため、たった一度の測定結果ですべてを判断するのではなく、日常的に測った数字の平均値で把握することが非常に大切です。もしご不安がある方は、ご自宅で以下の方法で測定することを習慣にしてみてください。
・毎日、朝起きてトイレを済ませた後に行う
・椅子に座り、数分間リラックスした安静時に測定する
■ 高血圧を放置してはいけない理由

血圧が高い状態が続くと、血管に大きな負担がかかり、動脈硬化が進行します。これが進行すると、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血といった命に関わる病気のリスクが高まります。
また、血管は全身に張り巡らされているため、影響は多岐にわたります。
・脳や腎臓の病気 ・視力の低下(目の病気)
・腸への血流不足(腹痛や血便が生じることも)
高血圧は自覚症状がないまま進行するため、日頃からの管理が重要です。
■ なぜ血圧は上がってしまうのか?

血圧を上げる原因には、肥満、睡眠不足、運動不足、ストレス、遺伝など多くの要因が絡み合っています。
特によく知られているのが「塩分のとり過ぎ」です。塩分を摂りすぎると、体は血液中のナトリウム濃度を一定に保とうとして水分を溜め込み、血液量が増えて血管への圧力が高まってしまいます。
また、肥満は脂肪組織から交感神経を刺激するホルモンが分泌され、血管が収縮しやすくなるため血圧を上げます。運動不足は肥満を招くだけでなく、血管の健康維持にも悪影響を及ぼします。
■ よくあるご質問(Q&A)

Q1:家庭用の血圧計は、どのようなものを買えばいいですか?
A:手首や指先で測るタイプよりも、心臓と同じ高さで正確に測りやすい「上腕(二の腕)式」の血圧計をお勧めしています。ご自身が使いやすく、毎日続けやすいものを選んでみてください。
Q2:健康診断で血圧が130台でしたが、病院に行くべきですか?
A:高血圧の基準は140/90mmHg以上ですが、上の血圧が130台の「高値血圧」の段階から、すでに脳卒中や心臓病などのリスクが上がり始めていることが分かっています。症状がなくても放置せず、早めに生活習慣の見直しや医師の指導を受けることをお勧めします。
Q3:高血圧の薬は、一度飲み始めたら一生やめられないのでしょうか?
A:「一度飲むと一生やめられない」というのは誤解です。減塩や減量などの生活習慣の改善、また歯周病の治療などによって血圧が安定すれば、医師の判断でお薬を減らしたり、中止できたりするケースは実際に多々あります。自己判断でやめることだけは避け、一緒に根本的な改善を目指しましょう。
Q4:減塩が苦手なのですが、無理なく血圧を下げるコツはありますか?
A:塩分を減らすのが難しい場合は、体内の余分な塩分(ナトリウム)を尿として排出してくれる「カリウム」を意識して摂る「ナトカリ比」の改善がおすすめです。カリウムを多く含む野菜や果物、海藻などを積極的にメニューに取り入れてみましょう。
Q5:高血圧の管理に、歯科でのケアが関係あるというのは本当ですか?
A:はい、大いに関係があります。お口の中の歯周病菌が血管に入り込むと、全身に微細な炎症を引き起こして動脈硬化や高血圧を悪化させることが分かっています。 当院は「内科・歯科併設クリニック」ですので、内科での血圧管理と並行して、歯科で歯周病治療やお口の環境づくりを行う「医科歯科連携」のトータルサポートが可能です。
■ おわりに:生活習慣を変えれば、数字は変わる

「高血圧を指摘された」ということは、生活習慣を見直す大きなチャンスです。
うれしいことに、正しい生活習慣に変えていくことで、血圧は確実に下げることができます。また、血圧管理の結果は数日〜数週間という比較的早い段階で数値に表れることもあり、それが健康づくりのモチベーションにつながる患者様も多くいらっしゃいます。
当院では、内科において一人ひとりの生活習慣に基づいた血圧改善のアドバイスを行っております。また、血管の健康は全身の健康と直結しており、お口の中の炎症(歯周病など)が血管トラブルに関与することもわかっています。歯科を併設する当院では、医科と歯科の両面から皆さまの健康をトータルでサポートすることが可能です。
「健診結果が気になっている」「血圧計を買ってみようか迷っている」という方は、ぜひお気軽に明石やまだ内科歯科クリニックへご相談ください。正しい知識と対策で、血管を守る生活を一緒に始めましょう。