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市販薬で済ませていませんか?胃もたれの陰に潜む「胃がん」の進行メカニズムと3つの危険サイン

こんにちは。

JR明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。

40代を過ぎると増えてくる「胃もたれ」や「消化不良」。

仕事のストレスや加齢のせいだと考え、市販の胃薬で済ませてしまうことはありませんか?

しかし、実はその「なんとなくの不調」の陰に、胃がんが隠れているかもしれません。

胃の痛みを感じたときには、すでにがんが進行しているリスクが高いという事実は、あまり知られていません。今回は、胃がんの発見が遅れてしまうメカニズムと、早期発見のために見落としてはいけない危険なサインについて、お伝えします。

なぜ「胃がん」は発見が遅れるのか?不調に慣れることの危険性

胃がんの初期症状は気づきにくいと言われますが、それには胃の構造が関係しています。

胃の内側は、痛みを感じる知覚神経が非常に少ない構造をしています。刺激物などさまざまなものを消化しなければならない胃にとっては、いちいち痛みを感じない方が都合良いからです。

初期の胃がんは、この表面の「粘膜内」に発生します。そのため、がんができても痛みを感じることはなく、多くの人が経験する「なんとなく胃が重い」「消化不良のような気がする」といった曖昧な不調にとどまります。

40代になれば、脂っこいものを食べた後に胃がもたれるのはごく自然な体の変化です。「きっと食べすぎだろう」と市販の胃薬で様子を見てしまう、この「不調への慣れ」が発見を遅らせる最大の原因です。

がんが粘膜下層から筋層へと深く根を張り、神経や血管を侵食し始める「進行がん」になって初めて、強い痛みや吐き気、出血といった明確な症状が現れます。症状が出てから慌てて受診したのでは、すでに手遅れに近い状態に進行しているリスクが高まるのです。

「いつもの胃もたれ」と見分ける危険な3つのサイン

胃の不調を感じたとき、市販薬を飲んで数日で治るなら過度な心配はいりません。しかし、がん細胞は自然に消滅しません。原因ががんである場合、症状は継続するか徐々に悪化します。以下の3つのサインを見落とさないでください。

2週間以上「みぞおちの鈍痛・不快感」が続く

市販の胃薬を飲んでも治まらない場合、一時的な胃炎ではありません。胃の粘膜に持続的な異常が起きている可能性が高いです。

少量の食事で「すぐお腹がいっぱいになる」「胸がつかえる」

がん組織が胃の中で物理的に大きくなり、胃の広がりを邪魔している可能性があります。または、がんによって胃の出口付近が狭くなり、食べ物がつかえている状態です。

便の色が「海苔の佃煮のように黒い(タール便)」

これは胃がんの表面から出血している強力なサインです。胃の中で出た血は、胃酸と反応(酸化)して黒く変色します。それが腸を通って排出されるため、便が真っ黒になります。

これらの症状のいずれか一つでも当てはまる場合、単なる食べすぎではありません。少しでも違和感が続くときは、早めに消化器内科を受診してください。

■40歳を過ぎたら必須!今日からできる予防と「ABC検査」

胃がんを早期発見・予防するために、私たちが日常で具体的に実践できる行動があります。

まずは「便の色のチェック」と「週1回の体重測定」です。排便後、流す前に便の色を確認する習慣をつけましょう。また、ダイエットをしていないのに半年で5%(体重60kgの人であれば3kg)以上体重が落ちていないか確認してください。急激な体重減少は、がん細胞が体内の栄養を奪っているサインです。

また、いくらや塩辛などの「高塩分食品」は胃の粘膜を直接傷つけます。ラーメンの汁を飲み干さない、漬物は小鉢に1つまでにするなど、塩分を控えるルールを決めることも大切です。

そして最も確実な行動は、40歳を過ぎたら健康診断などで「ABC検査(胃がんリスク層別化検査)」を受けることです。

これは採血だけで、胃がんの最大の原因である「ピロリ菌への感染」と、胃がんの土台となる粘膜の荒れ(萎縮度)を調べる検査です。この結果からリスクが高いと判定された場合のみ、胃カメラへと進みます。

実は、一般的なバリウム検査は陰影をレントゲンで見るため、早期病変の検出には不向きです。さらに、バリウムが腸で固まって腸閉塞を起こすリスクもあります。胃の状態を正確に把握するには、胃カメラで直接観察することが最も確実です。

胃の違和感を放置しないことが、健康な未来を守る

胃カメラを定期的に受けることで病気の早期発見につながる可能性は上がります。初期の胃がんであれば、内視鏡による治療だけで完治が見込めます。

「加齢やストレスのせい」という思い込みを捨て、体の声に耳を傾けることが大切です。

当院では、鎮静剤を使用してうとうと眠っている間に終わる、苦痛の少ない胃カメラ検査を行っております。また、検査施行医は内視鏡学会専門医が行っております。少しでも胃の不調が長引いている方は、自分の体を客観的に見つめる一歩として、ぜひお早めに当院へご相談ください。

明石やまだ内科歯科クリニック