「通勤電車でお腹が痛くなる…」それ、日本人の10人に1人が悩む『過敏性腸症候群』かもしれません

こんにちは。
明石駅より徒歩5分、明石やまだ内科歯科クリニック院長の山田恭孝です。
「大事な会議の前になると、必ずお腹が痛くなる」
「通勤や通学の電車で、トイレに行きたくなったらどうしようと不安になる」
「便秘と下痢を繰り返していて、整腸剤を飲んでも良くならない」
もし、このような症状でお悩みなら、それは単なるお腹の不調ではなく、「過敏性腸症候群(IBS)」という病気かもしれません。
近年、この病気で悩む方は増加傾向にあり、なんと日本人の約10人に1人が罹患していると言われています。
今回は、働き盛りの世代に多い「過敏性腸症候群」の特徴や、治療法についてお話しします。
検査では異常なし?「過敏性腸症候群」とは

過敏性腸症候群(IBS)の最大の特徴は、内視鏡検査などで腸を見ても「炎症や腫瘍などの明らかな異常が見つからない」ことです。
腸自体には異常がないのに、腸の働きや感じ方が過敏になってしまい、以下のような症状が慢性的に続きます。
- 下痢型: 突然の激しい腹痛と下痢に襲われる(男性に多い傾向)
- 便秘型: 腹痛を伴う便秘が続く(女性に多い傾向)
- 混合型: 下痢と便秘を交互に繰り返す
- ガス型: お腹が張って苦しい、ガスが溜まる
命に関わる病気ではありませんが、「いつお腹が痛くなるかわからない」という不安から、外出が怖くなったり、仕事や学業に支障が出たりと、生活の質(QOL)を大きく下げてしまうのが問題です。
あなたは当てはまる?なりやすい人の特徴

なぜ、腸が過敏になってしまうのでしょうか?
はっきりとした原因は特定されていませんが、ストレスや自律神経の乱れが深く関わっていると考えられています。
特に、以下のような特徴を持つ方に発症しやすい傾向があります。
□真面目で几帳面な性格
□緊張しやすい、あがり症である
□仕事や家庭でストレスを抱えている
□睡眠不足や夜更かしが続いている
□食生活が乱れている(脂っこいもの、カフェイン、アルコールの摂取が多い)
脳と腸は、自律神経を介して密接に繋がっています(脳腸相関)。
脳が不安やプレッシャーを感じると、その信号がダイレクトに腸に伝わり、運動異常を引き起こしてしまうのです。
「ただの腹痛」と放置するのは危険です

「ストレスのせいだから仕方ない」と諦める必要はありません。過敏性腸症候群は、適切な治療でコントロールできる病気です。
治療は、腸の動きを整えるお薬や、腸内環境を改善するプロバイオティクスなどの「薬物療法」と、生活習慣の改善が基本になります。
また、食事療法として「低FODMAP食(発酵性の糖質を控える食事)」を取り入れることで症状が改善するケースもあります。
そして、消化器内科医として一番お伝えしたいことは、「自己判断は危険」だということです。
「過敏性腸症候群だと思い込んでいたら、実は大腸がんや潰瘍性大腸炎(難病)だった」
というケースもゼロではありません。
これらは症状が非常によく似ているため、一度は大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けて、悪い病気が隠れていないかを確認することが非常に重要です。
まとめ:お腹の悩み、一人で抱え込まずご相談ください

過敏性腸症候群は、「気の持ちよう」で治るものではありません。
「こんなことで病院に行ってもいいのかな?」と遠慮せず、つらい症状がある時は私たち専門家を頼ってください。
当院では、指導医の資格を持つ消化器病専門医が患者様のお話をじっくり伺い、お薬の処方はもちろん、必要であれば苦痛の少ない大腸カメラ検査で腸の状態を詳しく調べることも可能です(鎮静剤を使用して眠った状態での施行が可能)。
お腹の不安を解消して、快適な毎日を取り戻しましょう。