便潜血陽性と言われたあなたへ|「痔のせい」と自己判断は危険です
「便潜血陽性」は、放置してはいけないサインです

会社の健康診断や自治体のがん検診で「便潜血陽性」と告げられ、不安を感じている方も多いでしょう。
便潜血検査は、便に肉眼では見えないごく微量の血液が混じっていないかを調べる、大腸がんや大腸ポリープの早期発見に非常に重要な検査です。
この検査で陽性と判定された方は、大腸がんやポリープ、その他の病気が隠れている可能性を示す「サイン」です。自己判断で「大丈夫だろう」と放置せず、必ず消化器内科を受診し精密検査を受けましょう。
「2日法で1回だけ陽性だった」「痔があるからそのせいだろう」と考える方もいらっしゃいますが、たとえ1回でも陽性であれば精密検査が必要です。痔がある場合でも、大腸がんが同時に見つかるケースもあります。
なぜ目に見えない血液を調べるのか

大腸がんは、進行するまでほとんど自覚症状がないことが多く、肉眼でわかるほどの出血がなくても、便とこすれることでごく微量な出血が起こることがあります。便潜血検査は、この微量な出血を見つけ出すことで、自覚症状のない段階での大腸がんの早期発見を可能にします。
便潜血陽性となったら、大腸がんの確率は?

「陽性=大腸がん」ではありません。便潜血検査は、精密検査が必要であることを示すためのものです。厚生労働省の統計によると、便潜血陽性者のうち、実際に大腸がんが見つかる確率は約2~3%、大腸ポリープが見つかる確率は50%前後とされています。
一見すると低い確率に思えるかもしれませんが、この数%の中にあなたの未来があるかもしれません。早期発見できれば、身体への負担が少なく、完治も可能です。
また、50%の方に見つかるポリープを放置すれば、将来がん化する可能性もあります。精密検査は、将来のがんを予防するためにも非常に重要なのです。
なぜ大腸カメラ(大腸内視鏡検査)が必要なのか?

便潜血陽性の場合、最も推奨される精密検査は大腸カメラ検査です。
大腸カメラの長所
- 確実な診断: 粘膜の色調や細かい模様を直接観察できるため、5mm以下の小さな病変も見つけやすいです。
- 検査と治療(予防)が同時に可能: 病変が見つかった場合、その場で組織を採取したり、ポリープを切除したりすることが可能(日帰り手術)です。
大腸カメラ検査は、大腸がんによる死亡率を60%も減らせるという研究結果もあり、その効果は科学的に証明されています。
検査の「苦痛」に対する当院の取り組み

大腸カメラは「前処置(腸管洗浄液の服用)が面倒」「苦痛を伴うことがある」といった短所が挙げられます。
しかし、これらの短所は工夫次第で軽減できます。当院では、短所である「苦痛」を軽減するため、2種類の鎮静剤を静脈注射することで、ほとんど眠った状態で検査を受けていただくことが可能です。
また、当院の医師は多数の症例を経験した消化器内視鏡専門医・指導医であり、安全で苦痛の少ない検査を提供しています。
おわりに:自己判断はせず、一歩踏み出しましょう

便潜血陽性は、あなたの体が発した大切なメッセージです。
「大丈夫だろう」「きっと痔だ」と自己判断で放置せず、まずは消化器内科を受診し、ご相談ください。大腸がんは、早期に発見すれば完治できる病気です。
特に、①50歳以上、②大腸がん・ポリープの家族歴、③肥満、④アルコール、⑤喫煙に心当たりがある方は、必ず精密検査を受けましょう。