【明石市の皆様へ】新型コロナ「ニンバス」の症状・風邪との違い・対処法まで医師が解説します
こんにちは、明石やまだ内科歯科クリニックです。
9月に入り、夏休みも終わりましたが、ご自身やご家族の体調はいかがでしょうか。「最近、喉の痛みや熱があって、これってもしかして…?」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。 ニュースやSNSでも話題の新型コロナウイルス新変異株、通称「ニンバス」について、当院にも多くのお問い合わせが寄せられています。
そこで今回は、現在流行の中心となっている「ニンバス」について、皆さんが本当に知りたい情報をお伝えします。
このブログで、ニンバスの特徴からご自宅での対処法、当院での対応までご理解いただけます。
そもそも「ニンバス」とは?
「ニンバス」は、皆さんがこれまで耳にしてきた「オミクロン株」の子孫にあたるウイルスです。その最大の特徴は、過去の感染やワクチン接種によって私たちの体に備わった免疫(警備システム)を、巧みにすり抜ける能力が高いことです。 そのため、「前に一度かかったから」「ワクチンを打ったから」と安心している方でも、再び感染してしまう「ブレークスルー感染」が起こりやすくなっています。
なぜ今、こんなに感染が広がっているの?
この夏のニンバス株の流行拡大には、いくつかの理由が考えられています。
- 猛暑による換気不足: 記録的な猛暑で冷房の使用が増え、窓を閉め切る時間が長くなったため、室内にウイルスが滞留しやすくなりました。
- 夏休みの人の移動: 旅行や帰省、イベントなどで人の移動が活発になり、感染機会が増えました。
- 夏バテによる免疫力の低下: 厳しい暑さで体力が消耗し、気づかぬうちに免疫力が低下。ウイルスが侵入しやすい状態になっていた可能性があります。 ここ明石市でも、8月下旬から新型コロナの報告数が増加傾向にあり、引き続き注意が必要です。
その症状、ニンバス?風邪やインフルエンザとの違い
「この症状はどの病気だろう?」と不安になりますよね。症状だけで100%見分けることは困難ですが、一般的な傾向として以下のような違いがあります。
主な症状 |
新型コロナウイルス |
インフルエンザ |
風邪 |
喉の痛み |
「カミソリでのどを切られるよう」と表現されるほどの、質の鋭い強い痛みが出ることがある |
強い痛みが出ることもある |
イガイガするよなな軽い痛み |
発熱 |
38度以上の高熱が出ることが多い |
38度以上の高熱が急に出る |
微熱~軽度の発熱 |
全身症状 |
強い倦怠感、頭痛、関節痛など |
急激な悪寒、強い関節・筋肉痛 |
比較的軽い |
症状の出方 |
比較的ゆっくり。初期は鼻水など軽い症状の場合も。 |
急激に全身症状が現れる |
比較的ゆっくり |
【重要】ニンバスの症状は多様です
「ニンバス=激しい喉の痛み」というイメージが強いですが、必ずしも全員にその症状が出るわけではありません。当院の診察でも、「頭痛が一番つらい」「熱とだるさがひどい」とおっしゃる患者様も多くいらっしゃいます。 激しい喉の痛みがなくても、発熱や倦怠感があればニンバスの可能性は十分にあります。自己判断せず、気になる症状があればご相談ください。
もしかして?と思ったら。ご自宅での対処法と当院での治療
医療機関を受診するまでの間や、ご自宅での療養中に、つらい症状を少しでも和らげるための工夫をご紹介します。
ご自宅でできるセルフケア
- お薬の活用: 市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)が、喉の痛みや熱を和らげるのに役立ちます。用法・用量を守ってご使用ください。
- こまめな水分補給: 喉の乾燥は痛みを悪化させます。経口補水液や麦茶、白湯など、刺激の少ない飲み物をこまめに摂りましょう。
- 喉に優しい食事: ゼリーやプリン、おかゆ、豆腐、茶わん蒸しなど、喉への刺激が少ないものがお勧めです。熱すぎるもの、辛いもの、酸っぱいものは避けましょう。
- 喉を潤す環境づくり: 加湿器を使ったり、濡れタオルを室内に干したりして、部屋の湿度(50~60%が目安)を保ちましょう。 ただし、これらはあくまで一時的な緩和策です。症状が改善しない、あるいは息苦しさなどを感じる場合は、我慢せず医療機関を受診してください。
当院での治療方針
診断の結果、新型コロナウイルス感染症であった場合は、患者様一人ひとりの症状や重症化リスクに応じて、丁寧に治療を行います。ニンバス株か従来株かを院内の検査で特定することは困難ですが、ニンバス株であっても抗ウイルス薬や重症化予防の方法は従来株とかわりません。ただ、ニンバス株は従来よりも特に咽頭痛が強くでることがあるため、鎮痛・抗炎症薬の対応に重視される傾向にあります。
- つらい症状を和らげる治療(対症療法): 喉の痛みや発熱には解熱鎮痛薬を、咳や痰がひどい場合には症状を抑えるお薬を処方します。
- 重症化を防ぐ治療: 65歳以上の方や、基礎疾患(糖尿病、心臓病、呼吸器疾患など)をお持ちで重症化リスクが高いと医師が判断した場合には、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬(パキロビッド®など)の処方を検討します。
安心してご来院いただくために(当院の診療体制)
発熱などの症状がある場合、他の患者様への感染を防ぐため、当院では以下の通りご案内しております。
【重要】発熱・風邪症状のある方は、ご来院前にお電話ください
- ご来院の前に、必ずお電話(TEL: 078-969-6565)にてご予約をお願いいたします。症状などをお伺いし、ご来院いただく時間や方法についてご案内いたします。
- 院内では、一般の患者様と動線を分けてご案内しておりますので、スタッフの指示に従っていただきますようご協力をお願いいたします。
- ご来院時は、不織布マスクの着用をお願いいたします。
今回の記事のポイントを振り返ります。
- ニンバスは免疫をすり抜けやすく、誰もが感染する可能性がある変異株です。
- 「カミソリのような喉の痛み」が特徴的ですが、症状は多様です。自己判断は禁物です。
- つらい症状には、ご自宅でのセルフケアも有効です。
- 当院では、感染対策を徹底し、発熱患者様の診療を行っています。
体調に異変を感じたり、この記事を読んでご不安になったりした方は、決して一人で悩まず、お気軽に明石やまだ内科歯科クリニックまでお電話ください(TEL: 078-969-6565)。地域の皆様が安心して日々を過ごせるよう、スタッフ一同、全力でサポートしてまいります。